貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.7【名探偵コナン】

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Aside


工藤邸のリビング。そこには私と秀一の他に、探偵君とシェリーが顔を揃えていた。その理由は


「本当か!?灰原!?」


「えぇ。もう少しで出来るわ。元の体に戻る薬が」


「よっしゃー!!」


両手で握り拳を作った探偵君。嬉しさでガッツポーズに力が入っている。そんな姿を見ると祝福の言葉をかけるべきだろう。ということで


『おめー』


「軽いな……」


『ﾆｬﾊ。言い方は軽いかもしれないけど、心は籠ってるつもり』


「まったく……」と呆れてる秀一。でもすぐに


「ぼうやが戻るなら、いつまでもここにはいられないな」


『そーねー』


秀一の言葉に同意すれば、興奮していた探偵君はこちらを向く。そしてシェリーも


「え……？赤井さんも猫さんも出てくの？」


『そりゃそーでしょ』


「家主であるぼうやが戻るんだ。居るわけにはいかない。それに沖矢昴は、工藤新一と接点はないのだから。不自然だろう？」


『それにシェリーも戻るんですから、明美さんをこちらに呼び戻さないと』


「お姉ちゃんを！」と声を上げたシェリーに、秀一は一つ頷く。


「大分待たせてしまったが、呼び戻そうかと思っている。組織の方も片付いてきたからな」


優しい表情をシェリーに向ける秀一と、彼の言葉に表情を綻ばしているシェリー。明美さんに会えるのが嬉しいんだね。そんな二人を私は眺める。


「じゃ、じゃあ！」


といきなり声を上げた探偵君に、どした？急に？と思いながら顔を向ける。秀一とシェリーも。


「赤井さんは猫さんの仕事場に移動するの!?」


「いや。ホテルに移る」


「え？何で？」


『僕は構わないんだけどさー。ほら。勝手に入って来るやついるから。場合によっては居座りそうじゃん。めんどいでしょー？』


私の言葉に速攻思い付いたのが一人いるのか、「ハハ……」と乾いた笑いを漏らす探偵君。


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