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ar side .



昔、伊野ちゃんが好きでよく飲んでいたコーヒーを出してあげた。ありがとうって頬を緩ませる姿が愛らしくて、胸がきゅっと締め付けられる。


…ああ、またあの頃に戻れたら…


ありもしない想像をしては、その度にどうしようもない虚無感に襲われる日々。

伊野ちゃんは、俺のことなんてもう好きじゃない。分かっているのに、こんなに触れられそうなくらい近くにいたら思い出してしまう。

…5年も前の、君と過ごした大切な記憶を…


「大ちゃんさぁ」

「っ、!……ん?」

「…新しい人、できた?」


突拍子のない質問に、思わず動きが停止してしまう。


"新しい人"って…そういうこと、だよな…?

…というか、なんで?急に?

好きな人が同じメンバーで、ずっと近くにいて気持ちは募るばかりなんだから…新しい人なんて、できるわけないだろ…


そんな行き場のない感情を抑え込んで、伊野ちゃんの目は見ずに答えた。


「…いないよ、そんな人」

「…ふーん…」


……って、それだけ??
自分から聞いてきたのに、反応薄っ!


…伊野ちゃんにとっては、こんなのなんてことない日常会話なんだろうな

…ずっと、意識してるのは俺だけなんだ……

なんだか無償に虚しくなってきた。


「…ねえ、伊野ちゃんは?

……いるの?いい人、」


ドクン ドクン ドクン ...

自分で聞き返したくせに、沈黙がこんなにも怖いなんて…


「ほあ?いるわけないじゃん」

「!!」


そっぽを向いて、バレないようにほっと肩を撫で下ろした。


…よ、よかったあ…
まだ、伊野ちゃんは誰のものでもないんだ…

また俺に気持ちが向いてくれるとは限らないけれど…


「…というか、愚問だよね」


俯いたままそう言った伊野ちゃんはどこか寂しそうで、少し怒っているようにも見えた。


「…大ちゃん以上にいい男なんて…いるわけないじゃん…」


……え?

ちょっとまって、なに今の?聞き間違い…?
その言い方って…

俺、期待してもいいってこと……?


…今なら聞ける気がする。

ずっと知りたくて、ずっと知りたくなかったこと。


「…伊野ちゃんは、なんで……なんで、俺と別れたの…?」

「…だって、大ちゃんが別れようって言ったから…」

「……は?」


…なんだよ、それ……



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にゃるる - 返信ありがとうございます泣泣 新垢待ってますっ!!!またむにこめさんのお話が読める日を楽しみにしております(≧∀≦) (1月13日 23時) (レス) id: 9df1e97525 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - にゃるるさん» お話気に入っていただいて嬉しいです、ありがとうございます…!アカウント突然消してしまい申し訳ありません。移行先はまだ作っていないので、出来次第お知らせさせていただきますね。ar王子とinも少し加筆修正して載せる予定ですので、もう暫くお待ちくださいm(_ _)m (1月9日 17時) (レス) id: 467faef54a (このIDを非表示/違反報告)
にゃるる - むにこめさんのarin作品大好きです泣 話は変わって申し訳ないのですがTwitterのアカウントが消えてしまったみたいなのですが、移行先のアカウントを教えていただくことは可能ですか?泣 Twitterの方で読んでいた王子arとinのお話もまた読みたくて... (1月3日 2時) (レス) id: 9985c4f555 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むにこめ | 作成日時:2023年3月19日 15時

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