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その後、伊野尾が有岡に連れてこられたのは、ラブホテルの前だった。
「なんで男2人でこんなとこ…」
「いいから、行くよ!」
有岡に強引に手を引かれ、伊野尾は渋々その背中を追う。
部屋に着くと有岡はご機嫌でベッドに腰掛け、突っ立ったまま不安そうな表情を浮かべる伊野尾を見上げた。
"ああ…そんな顔も可愛い"
____自身のベルトを外しながら。
「!?ちょ、なに脱いでんだよ!」
慌てる伊野尾を余所に、有岡は自身のモノを露にした。
「舐めてよ。俺を気持ち良くして」
「なに、言って…そんなこと、できるわけないだろっ…!」
「だってさー、あいつとしても全然イけないんだよね。下手すぎてほんと萎える」
その言葉で、伊野尾の中で何かがきれる音がした。
「お前っ…!」
伊野尾は有岡の胸ぐらを勢いよく掴んだ。有岡は表情を変えず、伊野尾の目を真っ直ぐ見つめながら続ける。
「いいの?ここで俺を殴って。あいつに全部言うよ?連絡先も消させる。…あいつに会いたくないんだ?」
「っ…」
唇を噛み、拳を強く握り締め、伊野尾は有岡の前で膝をついた。それが有岡にとって、興奮材料になるとも知らずに…。
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作者名:むにこめ | 作成日時:2022年11月28日 22時