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「…たった一度しか話したことないのに、好きになっちゃったんだ。…バカみたいでしょ?」
「…有岡くん…」
「……ごめん、たくさん酷いことして」
"素直に好きと言えなくて、彼女を奪うなんて馬鹿なこと…それに、ずっと無理させて…"
「もう、二度と関わらないようにするから」
今後こそ伊野尾の前から姿を消そうと、有岡はおぼつかない足取りで歩き始めた。
「…今まで、ありがとう」
有岡が背を向け、伊野尾の前から去って行く。
まさか、元カノと別れる引き金になったのが有岡だったとは。有岡が自分のことをずっと前から好きだったとは。突然の告白に、伊野尾は心の整理ができないでいた。
「…そういえば…最初会った時、おかしいと思ったんだよね…」
"元カノに連絡したのに、待ち合わせ場所に現れたのは有岡くんだったし"
「……かわいいとか、言ってくるし、」
"…本当は、少し嬉しかったんだっけ"
「倒れた時も…ずっと、傍にいてくれて……」
"…本当に、このままでいいのか…?"
____伊野尾くんっ
「……いや、だ……」
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作者名:むにこめ | 作成日時:2022年11月28日 22時