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28話 ページ28

Aのお母さんははっと目を見開いて顔を上げた。その瞳には僅かな罪悪感の色が含まれていた。

僕は悟った。ああ、きっとこの人だってこの人なりに考えていたんだ。


その選択が正しいものかそうでないかは別物として、この人だって愛娘の為に考えて考えて考え抜いていたんだ。

僕はそれを否定してしまった。



途端、どうしようもない罪悪感に見舞われた。

頭に血が登ってしまったからって言って良いことと悪いことがある。もう少し考えて発言するべきだった。



「……すみません、こんなことを言って…。
貴方には貴方なりの考えがあったはずなのに…。」



僕はばっと頭を下げた。しかし、Aのお母さんはすぐに頭を上げるように促した。



恐る恐る顔を上げると、涙ぐんだAのお母さんの顔が目に入った。

今にも泣き出してしまいそうな顔だったから、なんて言葉をかければ良いよのかわからなかった。





しばらくの間、僕達は静寂に包まれた。

この沈黙を破ったのは、Aのお母さんだった。



「…無一郎君、貴方の言うことはもっともだわ。私よりも正しいことを言っている。

そう、ね…そうよね……。あの子には、Aには、真実を知る権利があった。
私はそれを無視していたのね…。」



__教えてくれて、ありがとう。

…そして。



「……貴方にも、全てを話すべきだと思うの。きっとAのこと、気にかけてくれていたからここまで来てくれたんでしょう?

…聞いて、くれる?この子の…私達家族の過去の話を…。」



僕は、力強く頷いた。

Aのお母さんはありがとう…と零すと僕の目を見た。



力と信念が篭った瞳だったけれど、どことなく不安が見え隠れしていた。

彼女はぎゅうっと拳を握り締め、真っ直ぐな瞳で僕を捕えながら口を開いた。

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白霞(プロフ) - いちごアメさん» 応援のお言葉ありがとうございます。面白いとも言って頂けて嬉しい限りですございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月19日 17時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
いちごアメ - とっても面白いです!!これからも頑張ってください (2020年8月18日 21時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» そんな風に言って頂けて光栄の極みでございます!素晴らしい作品だなんて畏れ多い…!最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - す、素晴らしい!泣きました。とても面白い、悲しい?ような気がして面白かったです。(伝わらないような気がする。語彙力無くて、すいません!)とにかく素晴らしい作品でした。お疲れ様でした。 (2020年8月17日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - くれーぷさん» そのように言って頂けて嬉しい限りです!こちらこそ閲覧ありがとうございました! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月26日 0時

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