13話 ページ13
「…本当のことを、教えて欲しい。
お母さんは私に何か隠していると思うの。お願い。」
Aの真っ直ぐな瞳が僕を捕える。
ここで真実を告げるべきなのか。Aのお母さんにも何か事情があるのかもしれない…。
でも、彼女には真実を知る権利がある。僕は彼女に真実を伝えなくちゃいけない。
ごめんなさい、Aのお母さん。
すぅーっと真新しい空気を肺に取り込む。
得体の知れない緊張感に苛まれる。酷く汗ばむ。
参考書を持つ手が汗で濡れる。
そんなことに気を取られていられるほど、僕は冷静ではないのかもしれない。
「…うん。」
.
.
「…と言うことは、私は中学の頃までお父さんと一緒に暮らしてた…お母さんは私に嘘をついてる…。」
信じられない、と言いたげに困惑した顔をするA。
無理もないだろう。母親から聞かされていたこととはあまりにも違いすぎる話なのだから。
「そう、なるね…。でも、なんでAのお母さんがAにそんな嘘をついたのかわからない。蘭堂家は仲良しだってご近所でも有名だったから余計に…。」
「仲良し……か。」
「……A?」
仲良し、と言う言葉に複雑そうな表情を見せるA。
どうしたものかと不安に駆られてしまう。
「……私が聞いた、お母さんとお父さんの離婚の原因は…。」
___お父さんの暴力だったの。
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白霞(プロフ) - いちごアメさん» 応援のお言葉ありがとうございます。面白いとも言って頂けて嬉しい限りですございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月19日 17時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
いちごアメ - とっても面白いです!!これからも頑張ってください (2020年8月18日 21時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» そんな風に言って頂けて光栄の極みでございます!素晴らしい作品だなんて畏れ多い…!最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - す、素晴らしい!泣きました。とても面白い、悲しい?ような気がして面白かったです。(伝わらないような気がする。語彙力無くて、すいません!)とにかく素晴らしい作品でした。お疲れ様でした。 (2020年8月17日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - くれーぷさん» そのように言って頂けて嬉しい限りです!こちらこそ閲覧ありがとうございました! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月26日 0時