隠の桐島さん【鬼滅の刃】

お館様 ページ10

「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら
柱なんて辞めてしまえ！！」



「手前ェ...！！」




しかし、ここで流れを変える一手が遂にうたれた
この屋敷の主、産屋敷輝夜様御一行によって




「「お館様様のお成りです」」





開かれた襖の奥から静かにお館様は現れた
ご息女二人の支えでゆっくりと縁側にお進みになる

私たちはお館様の方に視線を向けながらも
ただ隅でこうべを垂れることしか許されない




「おはようみんな、今日はとてもいい天気だね
顔ぶれも変わらず半年に一度の柱合会議を迎えられた事を嬉しく思うよ」




ほぼ同時に九人の柱が一斉にかしずく
流石は柱...絵になるなぁ

最初に口を開いたのは
意外にも風柱様だった...




「お館様におかれましてもご壮健で何よりです
益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」




「ありがとう、実弥」




お館様の前では物凄く礼儀正しい
きっとあの男の子もびっくりしていることだろう

私も初めて来たけどなにげにめっちゃ荒ぶってるし




「畏れながら柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる
鬼を連れた隊士についてご説明頂きたく存じますが宜しいでしょうか？」




「驚かせてしまってすまなかった
炭治郎と禰豆子の事は私が容認していた...そして皆にも認めて欲しいと思っている」




お館様の言葉に柱はいち早く反応した
やはり反対派の方が圧倒的な印象を受ける

数々の鬼とその被害にあった人達を見てきた柱だからこそ

その考えを反対する気持ちも分からなくはない




「嗚呼、たとえお館様の願いであっても
私は承知しかねる」




「俺も派手に反対する！！
鬼を連れた鬼殺隊士など認められない」




しかし一方、少数ではあるが
賛成の意を示す柱もいた




「私は全てお館様の望むまま従います！」




「僕は何方でも...すぐに忘れるので」




胡蝶様と水柱の冨岡様は口を閉ざしたまま
何も言わなかった


二人がその時何を思っていたのかは
わたし達には分からない




「信用しない信用しないそもそも鬼は大嫌いだ...」




「心より尊敬するお館様であるが理解できないお考えだ！！
全力で反対する！！」




「鬼を滅殺してこその鬼殺隊
竈門...冨岡...両名の処罰を願います」





本当に彼らを処罰していいのだろうか
お館様と柱の意見をつっぱねる気はないが



ただ...現段階での処罰は少々理不尽に感じた

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