隠の桐島さん【鬼滅の刃】

思えば君はいつも... ページ29

『炭治郎...くん？』




「こんにちは...じゃなくてこんばんわ！Aさん」




『もしかして...』




“待っていてくれた？”




炭治郎くんの方へ駆け寄る
相変わらず彼はニコニコと笑っていた




「絶対にAは来るって思って
ずっとここで待っていたんだ...本当待っていた甲斐があったよ」




『...君は本当に...いつも私の想像を超えるね』





柱合会議の時も



蝶屋敷でも...



そして今この瞬間も...




君は良い意味で期待を裏切ってくる





「今日は、すごい進歩があったんだ！
全身訓練の鬼ごっこで初めてカナヲの手を掴んだ！
反射訓練でもやっと白星があがった！」




『え！？そうなんだ...
あーあその場面私も見たかったなぁ〜』




一番待ち望んだ光景を見逃してしまったのか
何故こうも運が悪いんだ私はッ


隊服を握る手に力が入る
今にもはらわたが煮えくり返りそうだ




『そっか、全集中常中...ちゃんと身につけられたんだね』




「あぁ！これからもっともっと精度を上げていく為に
これからも機能回復訓練は続けていくつもりなんだ」




『ははっ、炭治郎は真面目だね...』



常中ができるようになっても
直ぐに次の目標を掲げてひたすら走り続ける


この子はきっと...強くなれる



会うたびに逞しくなっているんだろう






『炭治郎はすごいよね...』




「...Aさん？」




恐ろしい鬼達と真正面から立ち向かう炭治郎達を
私は心から尊敬している


けど...




たまに




傷だらけの彼らを見て
心がズキズキするんだ...



本当に痛くて苦しいのは彼らの方なのに



何もできない私が...憎くて憎くてどうしようもなく辛くなる






このやり場のない気持ちの晴らし方を





だれか...




誰でもいいから





“教えてください”

本音→←それは偶然.？それとも...

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