隠の桐島さん【鬼滅の刃】

遠すぎる存在 ページ18

「ごめんくださいませー」




『ごめんくださーい！！
駄目だ全然出てこないわ』




あの後蝶屋敷に着いたものの
何度呼びかけても人っ子一人出てこない


流石に無断で入るのもどうかと思うし...




「庭の方回ってみっか？」




『おぉー流石後藤さん名案！！』




「へいへい、さっさと行くぞ」



うわ冷たいわぁ...
ごとーさんも疲れてんのかもなー

主に心理的に




「お前も自分で歩けよなー」




「すみません、ほんともう体中痛くて痛くて」




『しょうがないって...君、見た目以上に重傷だし』



でも後藤さん...うだうだ言いながら結局背負ってあげてるし
やっぱ良い人なんだよね

今更だけどこの人が上司でよかったわ




産屋敷邸に負けず劣らずの綺麗な庭には
ひらひらと蝶が舞っていた


その蝶の跡を追いながら歩いていくと
人影らしきものが見えてきた




『あ、いるいる！！人居たよ後藤さん！！』




「あれは...えっとーそうだ！“継子“の方だ
お名前は確か...栗花落カナヲ様！」




あれ先輩知ってんの？
私は初対面なのに


蝶屋敷は仕事柄結構訪れていると思っていたが
そんなこと無かったのかな




ふーむ...




「ツグコ...？ツグコってなんです？」




『ありゃ？少年知らないのね...
流石にそういうのに無頓着な私でも聞いた事ぐらいあるよ
簡単に言うと柱のお弟子さんで相当優秀じゃなきゃ選ばれない』




「女の子なのにすげぇよな」




そう...私と同じ女の子

対して歳も変わらないはずなのに

なぜ此処まで差ができてしまうのか
そして差は深まる一方私が幾ら背伸びしようが届くことは無い




『ほんと...いいなぁ』




ポツリと溢れたその小さな呟きは
庭に流れるそよ風に溶け...


やがて消えていった

女は強し→←末代まで呪ってやるからな！！

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