それは突然に

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トイレから出たあと、遥輝のところに戻ろうとしたが外の空気が吸いたくなって外にあるテラスに行くことにした。


すると1人の女性がそこに立っていた。



(あれ？この人さっきの…)



よく見ると、彼女の頬に涙がこぼれていた。
気づいたら俺はその女性に話しかけていた。


「大丈夫…ですか？」


自分でもなぜ話しかけたかわからないが、なぜだか妙に放っておけなかったのだ。

そうしたら、その人が警戒した顔でこっちをみてきたので、慌ててナンパではないと否定した。



すると、いきなり『ふっ』と笑いだし

『そんなこと思ってませんよ(笑)』

と言われ、気づいたら俺も笑っていた。



(この人笑うともっと可愛いんだ)



それから、なんやかんや話し、彼女は俺がプロ野球選手だということを知らなかった。
すると、申し訳なさそうな顔をして『すみません』と謝ってきた。



俺ももっと頑張らないとダメだなと、実感した。


「あの、なんでさっき泣いてたんですか？」


失礼な質問をしてしまったと少し後悔をしたが、
彼女は俯きながらこう答えた。


『なんかちょっと急に寂しくなっちゃって…って、三十路近くの女が何言っちゃってんのって感じですよね(苦笑) すみません、聞かなかったことにしてください』


「いや、わかります。俺もたまに究極に寂しくなる時があって、もう今年で27なのにこのまま1人なのかな〜って考えちゃうときありますね(笑)」


『え？27歳？私も今年で27なんです！』


まさかの同い年ということもあり、そこから会話が弾みお互いのことを呼び捨てで呼ぶまでに仲良くなっていて、気づくと二次会も終わりに近づいて、明日も試合だということでAとも解散した。




彼女はとても明るく、気を遣えて、みんなを元気にさせるような笑顔がすごく印象的だった。





(また会えないかな)

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