それは突然に

◎19(side遥輝) ページ19

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いま俺には気になっている人がいる。



出会いは結婚式の二次会だった。

最初見たときは純粋に綺麗な人やなって思った。


それから俺たちのことをプロ野球選手という
概念でしか見ていない女たちが次々に話しかけてきて正直鬱陶しいなと感じていた。



そんな時に新婦と話す彼女を見かけた。
そんな彼女の笑顔を見ていると無性に胸が
苦しくなって、目で追ってしまう自分がいた。



隣にいた卓さんに綺麗な女性がいるという事を伝えると、今までに見たことないような表情で
卓さんは彼女の事を見ていた。


「卓さん、もしかして一目惚れ？」


『そんなんじゃねーよ。遥輝わりぃ、俺トイレ行ってくるわ』


(絶対一目惚れやん)


卓さんは照れを隠すかのように
俺の前から姿を消し、しばらく帰ってこなかった。


それから、帰ってこない卓さんが心配になり
探しに行って見ると、テラスに卓さんがいた。


(卓さん1人でなにしてんねん)


そう思ったのも束の間
卓さんの隣には楽しそうに笑う彼女の姿があった。



もう俺勝ち目ないやん。
2人の姿を見ていると2人にしか出せない
オーラがそこにあって卓さんってあんな優しそうに笑うんやなってくらい彼女の事を愛おしそうに
見つめていた。



(卓さんのほうがお似合いやな)



今日彼女を見て芽生えたこの気持ちを
胸の中にしまっておこうと思った1日だった。








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