それは突然に

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「久しぶりやな」

『1ヶ月ぶり？私のこと覚えててくれてたんだね』

「当たり前やろ(笑)それはこっちのセリフ」

『あの時はお見苦しい姿を見せてしまって申し訳ございませんでした(笑)』

「絶対オレのことナンパだって思っとったやろ」

『だから、そんなこと思ってないってー』


ふっと2人で笑いあい、久しぶりに会ってなおかつ1度しか会ってないのにずっと今まで会ってたかのような雰囲気で、あの日のことを少し思い出した。



遥「俺のことは知ってたん？」

『もちろん。だってあかりちゃんがいっつもかっこいいって西川選手のこと言ってますから』

遥「Aさんは？」

『え？』

遥「俺のことかっこいいって思ってるん？」

『いや、その…』

「はるきー、やめとけって。困っとるやろ」


突然そんなことを聞かれるもんだから、思わず動揺をしてしまった。西川選手はほぼ初対面にも関わらずとっても人懐っこい性格で親しみやすく卓とはすごく仲がいいんだなという印象だった。



それから、卓と西川選手と色んなことを話した。
あの日交換できなかった連絡先も交換でき、俺もしたいと西川選手とも連絡先を交換した。



あっという間に時が過ぎ、試合が終わって疲れてるのにも関わらず会ってくれたことにただただ感謝しかなかった。



遥「じゃあ後で連絡してもええ？」

『いいよ。待ってるね』


と言って西川選手はニヤニヤし、勝ち誇った様子で卓の方を見ていた。


『今日は本当にありがとう。お疲れ様』

「気をつけて帰れよ。またな」

『あ！卓！』


ある事を思い出し
帰り際に卓を呼び、耳元でソッと一言囁いた。


"『おめでとう。よかったね』"


あかりちゃんから、最近卓が本来の調子を出せていなく、良い成績を残せていないと聞いていたので今日の試合でヒーローになった卓にそれだけを伝えたかった。



卓は少し照れたようにさんきゅと言い笑っていた。じゃあねと2人に手を振りその場を後にした。






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