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◎13(side卓) ページ13

試合前の練習。いつも通りしっかりとアップをし
練習をこなしていた。
すると、遥輝が観客席を指差しながら



「卓さん!Aちゃんおった、ほら!あそこ!」



遥輝が指差しした先には紛れもなくAがいた。
あの日自分に向けられた無邪気で繊細な笑顔で隣の子と話していた。結婚式で見た大人っぽい雰囲気とは少し違い、柔らかな印象だった。



「え!どれ!…あれがAちゃん?めっちゃ綺麗じゃん!」


拳士も一緒になってAのことを見だした。


「近くで見たらもっと綺麗なんすよ!
やっぱり卓さんには勿体無い気がするねんな〜」

『うるさいお前ら。あんま指差したらバレるやろ』


「ホンマは可愛いとか思ってるくせに〜笑
あ!ユニフォーム着てるやん。俺のやったりし て!」


そう言う遥輝に一発肩パンをかました。


練習も終盤に差し掛かって、もうすぐ試合が始まるという時にAの様子が気になりもう一度Aのほうに目をやると、一瞬目があったような気がしたがすぐ逸らされた。


(そんなすぐ逸らさんでもええやろ)


少しショックを受けつつも、試合が始まりAが来てくれたおかげなのかここまで絶不調だった俺はようやく長いトンネルをくぐり抜けチャンスの場面でしっかりと結果を残すことができ、見事ヒーローになることができた。


試合が終わり、ロッカーに戻り着替えをしたりケアしたりしていると球団職員の高橋さんが俺と遥輝を呼び出した。


「実はさ、前も言ったと思うけど今日俺の奥さんが来ててさ、奥さん遥輝の大ファンなんだよね。悪いけど写真とか一緒に撮ってもらってもいいかな?」


"全然いいっすよ"と遥輝が二つ返事で答えた。

しかし、1つの疑問が俺の頭の中に浮かんだ。


『高橋さん、なんで俺も?』

「いや、奥さんがどうしても卓も呼んでくれっていうからさ。悪いな」



事態を瞬時にのみこんだ遥輝がニヤニヤながら、俺の方を見てきた。
そう言われても全く理解のできない俺は、とりあえず奥さんがいる場所へと向かった。

◎14→←◎12(side卓)



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ちゃん(プロフ) - ずっと更新待ってます!!早く続きが読みたいです(TT) (2018年11月1日 1時) (レス) id: 98e25edc4a (このIDを非表示/違反報告)
シゲんこ(プロフ) - あじさいさん» そんなこと言ってもらえてとても嬉しいです!(T ^ T)楽しんでもらえるように頑張ります! (2017年6月19日 0時) (レス) id: b0b0b743fa (このIDを非表示/違反報告)
あじさい - ほんと好きです!更新毎回楽しみに待ってます!!! (2017年6月18日 22時) (レス) id: 165171f57a (このIDを非表示/違反報告)
シゲんこ(プロフ) - かずさん» ありがとうございます!期待に応えられるよう頑張ります(^^) (2017年6月5日 9時) (レス) id: b0b0b743fa (このIDを非表示/違反報告)
かず - おもしろいです!続きが楽しみ! (2017年6月5日 6時) (レス) id: ddabd1d113 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジケんこ | 作成日時:2017年5月20日 3時

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