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〜夜〜


冷たい風が頬を撫でる
乱れた髪を耳にかければ視界が少し広くなった

何故か中々眠りにつけず、夜風に当たろうとベランダに出た


サクラ「元親友…」


頭の中にふと浮かんだウラルの顔
人間だった頃、妖怪になった今


サクラ「ウラルが人間に化けた姿…
もし、ウラルが生きていたらあんな感じの男子に育ってたのかな…」


昔の彼と今の彼を比べると、どうしても切なく、悲しい気持ちになる
たまに思う。あの時、私を庇わなければ、彼は…

ガラッと窓が開く音がする
後ろを振り向けば、パジャマ姿のウラルがそこに立っていた


ウラル「サクラ様」

サクラ「どうしたの?こんな遅くに…」


声をかければ、無言でこちらへ向かってくる
私の横に立ち、彼はベランダの柵に両腕を置いた


ウラル「眠れなかったので…」

サクラ「……そう」


そこからは何も無く、無言で空を見上げる
そんな時間が、どれくらい続いたのだろう。ついに、ウラルが口を開いた


ウラル「サクラ様は…俺が仕えていて、幸せですか…?」


不意に飛んできた質問


サクラ「っ……」


答えようとしても、答えられない
答えが上手くまとまらない


サクラ「分からない…」


そうとしか言えない
だって、本当に分からないから
一緒にいれるだけ良いのかもしれない。でも、主と側近である今の関係に、満足なんてできるわけない


ウラル「……俺は、幸せだよ」

サクラ「え…?」


この喋り方、人間の頃の…


ウラル「たとえ主従関係でも、サクラ “さん” のそばにいられて」

サクラ「ウラル…くん…?」


思わず昔の呼び方をしてしまった
ウラルは今、どんな顔をしているんだろう
気になって横を向いてみたが、風が私の髪を靡かせ、何も見えない


サクラ「それでも…それでも、私は……」

ウラル「サクラさん…?」

サクラ「私…は……っ」


その先は、無理だった
“親友に戻りたい” なんて、言えるわけない…


ウラル「……そろそろ寝ましょうか、サクラ “様” 」

サクラ「えぇ……」


室内に戻ると、ウラルは寝室に歩いていく
私も、なんとも言えない気持ちを抱えたまま布団に入った



番外編 Fin

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設定タグ:妖怪ウォッチシャドウサイド , 月浪トウマ   
作品ジャンル:アニメ
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kotorin♪(プロフ) - コメントありがとうございます!ですよね!ですよね!!本当に待ってるんですよ! (2020年4月13日 15時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのダレカ - 「シャドサ2期、待ってます」激しく同意!2期あったらなにがなんでも見る (2020年4月12日 18時) (レス) id: 6bf8819783 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 【お詫び】ストーリーの流れでは冬の季節なのに、リアルが真夏のため間違えて夏のストーリーを書いてしまうという、おかしなミスをしてしまいました。混乱させてしまった方、大変申し訳ございませんでした。修正しておきましたので、これからも宜しくお願いします (2019年7月26日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - まらそさん» 私がはやくくっつけたくてこんな感じになりました(笑) (2019年5月17日 20時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
まらそ - めっちゃいい感じに告白するのがすごい! (2019年5月17日 16時) (レス) id: 16a78ad417 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kotorin♪ | 作成日時:2019年2月23日 10時

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