無敵のマイキーに好かれました。

# . 32 ページ34

.






たくさんみんなに迷惑をかけて、
たくさんみんなに助けられて。



退院したその日。






「 Aさん大丈夫っスか？」

「 うん、ありがとう千冬 」


「 場地お前さあ、なに俺のAに跡付けてんの？ 」

「 あ？テメェのじゃねぇだろ、調子乗んなよ 」


「 ドラケンどうにかしろよアレ… 」

「 そーゆー三ツ谷がどうにかしろよ… 」


「 噛み跡…！？！？場地くんが付けたんスか！？」






このありさま。

一番平和と判断した千冬の隣。



やっぱり判断は正しくて、
病み上がりのわたしの身体を心配してくれる千冬。



マイキーと場地はと言うと、
まあ、アレだ。噛み跡がバレた。






「 ねえ、タケミッチ 」






騒ぐアイツらは無視。


『 飲みモン持ってきます 』

そう言って居なくなった千冬の隣に座ってた
タケミッチの隣に移動して、

気になっていたことを聞いてみる。






「 未来からでも来たの 、タケミッチ 」






死なないで、ってこのことだったのかな。

ただそれだけ、確証はない。



そう聞けばタケミッチは目を見開いた。

ぶっちゃけ、どっちでもいい。



未来から来た、そう言われても別に驚かない。






「 マイキーくんを、あなたを救うために、来ました 」






真っ直ぐにそう言うとタケミッチの瞳は一切揺るがない。



『 そっか 』って笑えば、

『 え！？！』って驚かれた。






「 何言ってんだこの男バカなのか？とか思わないんですか！？」

「 思わないよ 」






そう言ってふんわりと笑えば、
顔を真っ赤に染めるタケミッチ。


純粋、可愛い。


そう思いながら
『 じゃあさ、』って話しかけて、

今度は、にっ、と笑って。






「 ミッションクリアだ、タケミッチ 」

「 〜っ…！！Aさぁん…っ！」






余程嬉しかったのか、

ずずっと、鼻水をすするタケミッチ。



ケンチンもそれを見ていて、

『 うわ、汚ぇタケミッチ 』

って引いた顔をしていて。






「 あーー！タケミッチ！！なにAとイチャコラしてんの！」






不機嫌なマイキーは
わたしを後ろから、ふんわりと、優しく抱きしめた。






「 お前ら、Aに手ぇ出すなよ 」

「 俺がいっちばん最初に目ぇ付けたんだからな！ 」






そう言うも誰からの返事も返ってこなくて。






「 はあ、無敵のマイキーに好かれたわたし大変 」







.




無敵のマイキーに好かれました。


fin





.

# . 番外編→←# . 31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す