# . 26 ページ28
.
「 よォ、A、場地ィ 」
高い背を屈めて呑気な声で部屋に来たケンチン。
わたしの隣ではメガネをかけて真剣に
問題を解く場地。
そんな場地と向き合う様に座ったケンチンは
『 喉乾いた 』って言ってわたしの飲みかけのサイダーを口に含んだ。
「 んで?お前は何してんだ 」
「 通分だわ、見て分かんねェのかテメェ 」
「 なんで場地は喧嘩腰なの 」
パシッと場地の頭を叩く。
バカかお前は、ほんとに。
そう思いながらため息を付いて、
通分を間違ってる場地に『 ここ違うばか 』って
指をさせば、かちゃりとメガネをし直すと、
『 あ?』ってもう一度問題と睨めっこ。
真剣に解く場地が面白くて、
少しの間眺めていると
「 …なあ、おい、A 」
って、正面に座るケンチンは驚きの顔。
そんなケンチンの目線は、完全わたしの首で。
てっきり忘れてた。
「 おま、それ、…場地か?」
「 ん 」
「 付けてやったわ 」
場地が得意げにそう言うとため息を付くケンチン。
ドヤってんなよ場地、まだ痛いわぼけ。
そんな気持ちを込めて場地を睨みつけると、
『 A 』ってケンチンの真剣な声がわたしを呼ぶ。
「 それ、マイキーにバレんな、めんどくせェから 」
何かと思えばマイキー関連。
首を縦に振って『 おいA 』って、
わたしの服をくいくい引っ張る場地。
可愛いかお前は。
「 ここどうやるんだ?」
「 代入 」
きっと通分のし過ぎで代入忘れたんだな。
ばかだから。
『 ああ、代入かァ!!』って
閃く場地はすらすらとシャーペンを滑らせる。
そんな場地を見守ってると、
『 お前、今日浴衣着てくのか?』
って唐突のケンチンの質問。
「 んー動きづらいから却下 」
「 言うと思った、なら、髪の毛やらせてくんね 」
「 え、してくれんの 」
髪の毛いじられの好き。
場地のベッドに移動したケンチン。
そして置いてあったえっちな本を見つめれば、
『 マイキーだろ、これ 』って、
ポイッと適当に投げ捨てる。
そうすると自分の足の間を、ぽんぽんっと叩くと、
『 ここ、こっちこいA 』
って、彼の手首に付いてるヘアゴムが揺れる。
「 お望みは?」
「 んー…龍宮寺先生のおまかせで 」
「 ふはっ、先生ってなんだよ 」
ケンチンに全てを預けた。
.
1898人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真弥 - 夢主ちゃん口癖「ばか」になってそう笑笑 これからも投稿頑張って下さい! (2022年12月10日 14時) (レス) @page25 id: 5ace0f76be (このIDを非表示/違反報告)
こはね - あの、この作品と関係なくて申し訳ないんですが、「マイキーとシジュウハッテ」の続編とリクエスト編?のリンクを貼っていただけないでしょうか? (2022年1月30日 8時) (レス) id: 7f91654289 (このIDを非表示/違反報告)
夜空と暁(プロフ) - おーい、夢主ちゃん何カップ??wめっちゃ面白いです。更新頑張ってください!! (2021年8月25日 17時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
獅子丸(プロフ) - このお話読んでたら、私まで夢主ちゃんのお胸揉みたくなりますww更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月21日 15時) (レス) id: f73ab42924 (このIDを非表示/違反報告)
こはね - イザナくんとの絡みも見たいッッ!ですッッ!! (2021年8月19日 23時) (レス) id: b4a9ddf842 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆた | 作成日時:2021年7月28日 14時