嫁いだ先は2【波羅夷空却】

嫁ぎ先40 ページ5

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二郎side




｢おいてめぇ、人の嫁に何してんだ｣





男の声ではっとして先輩から離れた

俺今何言おうとしてたんだ...！！！





『空却さん！』





先輩の旦那さんか...

これちょっとヤバいかも...







｢何してんだっつってんだよおい！｣





先輩の旦那さんに胸ぐらを掴まれる

人の奥さんにあんなに近づいてたんだし、完璧に俺が悪いから何も出来ない






『空却さんやめてください！！二郎くんは一緒に待ってくれてただけです！』



｢拙僧には言い寄ってるようにしか見えなかったがなぁ｣




『二郎くんはそんな子じゃないですよ！！手を離してください！』




｢.......ﾁｯ｣




手の力が弱まりようやっと離された


身長は俺より低いのに、俺より強い

...悔しいけど、先輩に相応しい






｢...悪かったよ。誤解させちまったみたいで｣


｢.....｣



『空却さん』



｢...あぁもう、拙僧もいきなり胸ぐら掴んで悪かったな｣






...もう帰ろ

久しぶりに先輩に会えて、咄嗟に告白しちまうとこだった

今の先輩に俺はいらないのに...







｢じゃ、俺帰るわ。またな先輩｣




『今日はごめんね...今度ちゃんとお詫びするよ』



｢いいって。空却さん？にも悪いことしたし｣



｢てめぇ二度とAにあんな距離で近づくなよ｣



｢うっす｣








じゃぁなと後ろ向きで手を振って歩く


本当は最後まで先輩の顔しっかり見てたかったけど

今の俺にそんな資格はない





...今日の俺、ほんとダッセェな







『二郎くん！』





呼ばれて反射的に振り向いてしまった


こんなダッセェ顔見られたくねぇのに









『絶対！お詫びするから！！ご飯でもなんでも奢るから！！』





...あぁ、あの人のああいうお節介なとこ

ほんと変わってねぇな







｢おう！！萬屋山田もよろしくな！！｣






じゃあな、俺の初恋の人

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