嫁いだ先は2【波羅夷空却】

嫁ぎ先36 ページ1

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山田二郎くん

同じ高校に通っていて、委員会で初めて知り合った



放送委員なんて誰もやりたがらないのに、彼は率先して受けたらしい

なんでか聞いたら人前で喋るのに慣れたいからとか




二郎くんとは当番が被ることが多くて、自然と仲良くなった

その間に、私の家柄とか、将来好きでもない相手と結婚しなきゃいけないこととか、色々なことを相談してしまった



二郎くんは話を聞くのが上手いから、なんでも相談しちゃったんだよなぁ、






そして今、そんな彼と1年ぶりに対面した







｢久しぶりじゃん！こっち来てたんだな。｣



『ひ、久しぶり』





相変わらず元気だなぁ、、

でも去年より少し大人びてる



二郎くんが異次元クラスにモテてたの分かるなぁ







｢確かナゴヤに帰ってたんだよな？｣



『そう。でも今日は友達に会いに来たの』



｢...？誰も見えねぇけど？｣



『さっき解散して...』





...あれ、これ


二郎くんにスマホ借りればよくない...？？？







『ねぇ二郎くん！スマホ貸してくれない！？』



｢えぇ、なんで？｣



『実は今日旦那さんと友達と来たんだけど、スマホの充電切れて連絡出来なくてさー、、』




｢旦那...？？｣






...あ、そっか

卒業してからろくに連絡取ってなかったから話してなかったんだ







『えっと、、ちょっと前に結婚しました』



｢.....前言ってた政略結婚ってヤツか｣



『最初はそうだったんだけど、今はちゃんと好きだから大丈夫だよ』




｢.....まぁ先輩がいいならいいけどさ｣







そう言って二郎くんは、カバンからスマホを取り出して渡してくれた



少し拗ねたような顔をして





『ありがとう二郎くん！ちょっと借りるね』






｢.......おう｣

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