伝える、言葉。

小さな声 ページ4

この消しゴムを落とした、耳の聞こえない子が"松村北斗"と言うらしい。






ついでにその辺に立ってるのが"高地優吾"






そこから30分くらい






ちょこちょこと会話を重ねると、少し仲良くなれた気がする







大我『俺の名前は、京本 大我(きょうもと たいが)です。』







普段は絶対にふりがななんてふらないけど、これは念の為







北斗『京本くん？』






大我『違う。大我って呼んで？』







ノートでのやり取りもかなり慣れてきた






次はなんて書くかなって待っていると







北斗「たい...がっ」






大我「えっ？」







喋れないものだと思い込んでたから、まさか声が聞こえてくるなんて思わなくってびっくりした






黙った俺を不安に思ったのか、それとも恥ずかしかったのか分からないが、下を向いてしまった






すると、それを見ていた高地が北斗くんの肩を叩いては、手話で何かを伝えているよう







大我「高地、今なんて伝えたの？」






優吾「ん、上手に言えてたよって」






大我「普段北斗くんは声を出して話したりするの？」






優吾「いや、俺は初めて見た」







って事は、滅多に声を出したりしないんだ







そう思うと、すごい嬉しい







優吾「昔は声が聞こえてたから、多少の発音とかは何となくで出来るみたいだね」

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