好きなんやな ページ10
・
ずーんと沈んだ気分。
2対2のラリーを見ながら、楽しそうだなぁってぼんやり思う。
私の恋は、どうやったら報われるんだろう。
久原を見ながら、虚しくなって、頭撫でられたことを思い出して嬉しくなって、忙しい。
「あ、ドリンク作んなきゃ」
清水「俺も手伝うわ」
「いえいえそんな!申し訳ないです」
清水「ええねんて。あれ終わったらもう解散やし、手伝わせてや」
「…じゃあ、お言葉に甘えて」
そばでストレッチしてたくにさんに声をかけられ、一緒にドリンクを作った。
スポドリの粉はあの人は少なめ、あの人はお茶ですとか教えると、「おおっ」っていいリアクションをしてくれるくにさん。
清水「ひとりひとり違うんねや」
「そうなんです。だから、練習が始まる前に皆さんから好みを聞いておきます」
清水「…俺いつもなんて言うてる?」
「いつもと一緒でええよって言いますよくにさんは。ちなみにざーさんも」
清水「え、それでわかるん?」
「くにさんはパナですからね。わからなかったらマネ失格です。このくらいなら咲良でもわかりますよ」
咲良のにくいところは、仕事ができるところだ。
どれだけ男に現を抜かそうとも、仕事だけはちゃんとやる。
それは本当に助かってる。
だけど、きっと、それはたくさんの男の人を傷つけていい理由にはならない。
と、私は思う。
久原はどんな気持ちで咲良と付き合ってるんだろう。
清水「…Aは、翼が好きなんやな」
「…わかります?」
清水「わかるなぁ。今日の昼とか、あからさまやったやん」
「昼…、頭撫でられたとき?」
清水「せや。福澤も気づいて苦笑いしとったな」
「…あはは」
やっぱわかるのか。
「…どうやったら、諦められるんでしょうね」
清水「んー、一旦距離を置いてみたらええんやない?」
「距離を置く…」
清水「会わへんかったら気持ちが薄れることもあると思うで?」
「確かに」
それはわかる気がする。
会わなかったらどうでもよくなっちゃうもんね。
だから、久原と離れようと思ったのに。
なのになんでパナに来たのあいつ。
「私、マネ辞めようかな」
清水「え!それはあかんで!俺何を楽しみに来たらええんや」
「バレーしに来てるんでしょ」
そう言って笑えば、せやけどさぁって拗ねるくにさん。
パナのマネは、咲良に任せても大丈夫だとは思うんだよね。
・
263人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花(プロフ) - コッペパンさん» !?!?ありがとうございます…泣泣めちゃめちゃ嬉しいお言葉…!これからもがんばります!! (2021年8月6日 8時) (レス) id: 6782c8e9bf (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン(プロフ) - 主様の小説が好きすぎてたまりません。久原くんと男好き悪女と夢主。むっちゃスカッとしましたーー。これからも頑張ってください。 (2021年8月6日 7時) (レス) id: 35bad60104 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - もかさん» もかさああん!!ありがとうございます!!!いやぁ、嬉しいです…!ありがとうございます!!すぐ次回作準備致しますので少々お待ちくださいね!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
もか - 花さ〜〜〜ん、お疲れ様でした!!悪女退治してスカッとしつつキュンが止まらないという、この、自粛期間にはもってこいのお話でござんした!!次も楽しみです!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: 2e737efd69 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - まっちゃんさん» ありがとうございます、恐縮です…!! 次回作もすぐご用意しますのでお待ちください!!!!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花 | 作成日時:2020年4月11日 20時