きっと、ずっと、そばにいて。

太陽鳥 ページ34

・




W杯も終わり、パナへの挨拶も済んだ。

そして足を運ぶ、サントリーサンバーズの体育館。

かっ、かっこええ…。

同じマネの松崎さんに連れられて、荻野監督へ挨拶をする。

改めてお世話になりますって。




荻野｢じゃあ、そろそろ教えてくれる？パナから移籍する理由｣

｢えっ、と…、｣

荻野｢いやいや、うちだって負けてはないけどさ、パナだって実績もあるわけじゃん？｣




サントに移籍したいって話したとき、｢なんで？｣って驚いてたのは川村監督よりも荻野監督の方だ。

まだ詳しくは言えないけど、きっと力になりますからってことで承諾。




｢…笑いませんか？｣

荻野｢笑わないよ。話して｣

｢…パナの、もう1人の女子マネージャーが、男好きといいますか｣

荻野｢…へぇ｣

｢私も、マネの仕事に集中したいので…。それに、同じ大阪でパナを倒すなら、サントかなと思ったんです｣

荻野｢…それは光栄だな｣




私の目標は、パナを倒すこと。

サントは、チームバレーの具現化のようなチーム。

突出して強い選手がいるわけでも、弱い選手がいるわけでもない。

だが、誰一人欠けてはならない。

どういう組み合わせでも、6人で強いチームだ。




｢私はこのチームに、尽力したいと思いました｣

荻野｢…うん、いいね。来てくれてありがとう｣

｢…はいっ｣

荻野｢集合！｣




荻野監督の声かけで、選手全員が練習をストップして集まってくる。

誰だ？っていう好奇の目で見てくる人もいる。

栗山雅史さんなんかは、｢えー！なんでいるのー！｣って感じで見つめてくる。

大宅くんも｢え？｣って感じだな。

小川猛と鶴田さんなんかはニヤニヤしてる。

そしてもちろん、｢げっ…｣って嫌な顔してる奴もいる。

そう、松ケンこと、松林憲太郎だ。

目が合ったから小さくウインクをしてやれば、ため息をついて目を逸らされた。

もうっ、照れ屋さんなんだからっ。




荻野｢今シーズンから、このサントリーサンバーズでマネージャーとして働いてもらう、AAさんだ｣

｢パナソニックパンサーズから参りました。AA、独身、彼氏無し、25歳です。あ、でも彼氏がいないからって狙わないでくださいね？｣

松林｢誰も狙いません｣

｢はい、そこ黙って。最近は龍神NIPPONのマネージャーも務めさせていただいております。バレー経験者でポジションはリベロでした｣




これからよろしくお願いいたします。

一礼すれば、運動部よろしく｢シャッス！｣って声が返ってきた。

彼らが、太陽鳥。




・

松ケン→←ハグしとく？？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す