きっと、ずっと、そばにいて。

ハグ ページ31

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｢緊張してます？｣

山内｢んー、まあまあ。Aは？｣

｢私はギャラリーから応援するだけなんで緊張なんて全く！｣

山内｢ちょっとはしろよ｣

｢あはっ、でもみなさんお強いですから｣




私が同行したのは第1回から4回までの国内合宿のみ。

だから、東京と鹿児島にしか行かない。

アメリカやドイツやブルガリア、イタリアやセルビアやイランなど、そんな国々には行けないんだ。

アメリカのシカゴ、超行きたかったけど、私もすることがいっぱいあったから正直助かった。

お陰様で、もう枚方のアパートは空っぽだ。

新しい部屋も決まったし、W杯が終わったら本格的にサントへ移籍。

いよいよ明日から、男子のW杯が始まる。

一日目だけどうしても見たくて、自力でチケットを取ってやった。

そして今、私は福岡にいる。

龍神NIPPONが泊まってるホテルの、アキさんの部屋を直撃した。




｢アキさーん、ババ抜きしましょう｣

山内｢あのなぁ、俺明日試合なんだって｣




そんな話をしてるとき、ドンドンドンドンドンってドアを叩く音が聞こえた。

ビックリして、アキさんが出口の方へ行く。

すると、Aさん！！って勢いよくデカいのが飛んできた。




｢あら祐希じゃない｣

石川｢なんで山内さんのベッドに寝てるの！｣

｢…えー、そこにベッドがあったから？｣

石川｢Aさん俺の部屋行こう。山内さんは危ないよ｣

山内｢馬鹿言え。Aなんてたつもんもたたねーよ｣

｢酷い！脱いでやろうかしら！｣

石川｢やめてAさん！｣




アキさんの部屋に来たのは祐希だった。

後ろからマサさんと関さんもついてきてる。

あとで太志や健太郎も来るらしい。




｢なんで来たことバレた？｣

柳田｢こそこそ走り去るAを俺が見つけた｣

石川｢なんで来ること俺に教えてくんないの！｣

｢なんで祐希に教えなきゃいけないの｣

石川｢酷い！｣

小野寺｢わっ、ほんとにAちゃんいるー。俺に頑張れのハグは？｣

｢それは大学で終わりでしょ｣

小野寺｢えー｣

石川｢なにAさんって大学のとき太志にハグしてたの？｣

小野寺｢東海バレー部は、男女関係なく試合の前はハグしてもらってた。なんかね、勝てる気がすんの｣

石川｢…Aさん｣




祐希が黙って手を広げてくる。

そのタイミングで健太郎も来た。

え！？ってめちゃめちゃビックリしてる。




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