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いきなり赤羽くんに突き飛ばされて、私は横から地面に倒れ込んだ
その拍子に頭を思いっ切りぶつけた
いったいな!何するんだよ!と思わず悪態を付きそうになったが
私がさっきいた所に凄い速さで硬球が飛んで来ていて、すんでのところで当たらずに済んだ
「ごめぇんっ」
申し訳なさそうに伊久留ちゃんが私達の元へ駆けてきた
「業くん大丈夫だったぁ〜?」
「は?Aを狙って投げたくせに、よくそんな事言えるね」
「ち、違うよぉ!伊久留コントロール悪くってぇ〜」
「ふぅん。そう言うけどさ、Aが居た所にばっちりコントロール出来てるじゃん」
……うん。確かにあのまま座っていたら頭に直撃だったと思う
「うぅっ。業くん酷いよぉ〜。えーんっ」
伊久留ちゃんはそう言って、両手で顔を覆って鼻をすすった
赤羽くんはそれを見てピキっと青筋を立てていた
「はァ?あんたさ、泣く前にAに謝ってくれない?幾ら女と言えど、俺手加減出来ないよ?」
『わぁあっ、赤羽くん!私なら良いから!幸い怪我もなかったし!本当にたまたまかも知れないじゃん!玉だけに……なんつって』
「おもしろくないから」
……赤羽くん、それは私が傷付くよ
とりあえず、この最悪な状況を何とかせねば……
うーん、と考えて馬鹿なりにある事を閃いた
そうだ。彼にボールを取ってきて貰おう!
この場から上手いこと立ち去って、伊久留ちゃんと彼を離せば丸く収まるんじゃ……?
ええい!そうと決まれば早速実行だ
『赤羽くん、さっきの野球ボールどこ行ったっけ?』
そう言うと彼に何言ってるの、と言う顔をされる
「何でAはそんな呑気にしてられんの?ボールよりもこいつから謝罪を聞かないと俺は気が済まないんだけど」
『いやいや!伊久留ちゃんの気持ちを考えてあげてよ!多分私と二人っきりの方が言い易いからさ!』
ねっ?と彼女に相槌を催促すると、こくん、と小さく頷いた
『ほら!だから赤羽くんはボール取ってきてあげてよ』
彼はどこか不服そうだが、「Aがそう言うなら分かった」とため息を付いて硬球が転がっていった方に歩いて行った
*
『伊久留ちゃん大丈夫?もう泣かないで?』
そう声を掛けると、彼女は覆っていた両手を外した
「最初から泣いてないけど。Aちゃん何のつもり?わたしと対談でもするの?」
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時