【赤羽業】ご主人様とイヌ 3

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次の授業が体育なので、私を含めた女子組はぞろぞろと教室を出て更衣室に足を運んでいる


その道中、廊下の向こう側で生徒会長の姿が見えた





『ヒッ！』


「どうしたのA？」


『莉桜ちょっと匿ってね！』





隣を歩いていた親友の後ろに回って、すれ違うのをやり過ごす作戦を決行する


……上手く行きますように！





だんだんと彼の影か近付いてきて、あと30cmの所に浅野くんが居る


何も喋りかけないでくれ、と心から懇願していると莉桜がニタニタし出した





「よぉ。生徒会長」





彼女は浅野くんに声を掛けた


おい！何してくれてるんだよぉおお！





「君から声が掛かるとは珍しいな」


「まぁまぁたまにはこんな絡みがあっても良いじゃん」





良くないよ！私が居ないところでやってくれないかな！





「所で何の用だ？僕は忙しいんだが」


「まーまー。うちのワンコロがえらく警戒してるみたいだから浅野ちょっと構ってやってよ」





莉桜はそう言って私を前に突き出した


……一生恨んでやるからな！なんて十さんみたいな事を思っていると浅野くんと目が合った





「今朝ぶりだな」


『こんにちは！浅野くん急いでるんですよね？私も次体育で着替えるのに忙しいのでこれで！じゃあ！』


「あぁ、頑張れよ。A好きだぞ」


『最後の要らないよおぉおおお！』





馬鹿野郎ぉぉおと叫びながら私は莉桜の手を引いて廊下を全速力で走った


更衣室付近までやって来て、スピードを緩めると面白そうに横の友人は笑った





「なーにぃ？あんたらお熱いね？浅野ったら直球勝負じゃん」


『あああああ。こうなると思ったから匿ってって言ったのに！』


「ふふっ。ごめんごめん」


『絶対ごめんって思ってないでしょ！』





他人事だと思って、遊びやがって……


莉桜なんか呪われちまえ！





そう思って、ある事にハッと気が付いた





もしかして、今のやり取り十さんに見られてたんじゃ……？


おずおずと彼女の方を見ると、結構普通にしていた





「ナンダクリヤマ、ドウカシタカ？」


『いやいや！怒ってるかも知れないって思って！ちょっと気になっただけ』


「ナゼワタシガ、オコルヒツヨウガアル？」


『え。浅野くんの事好きじゃないの？』


「イツノハナシダ。アソコマデキョゼツサレタラ、ワタシダッテ取り憑くノハヤメルサ」


『お、おう』





……じゃあ、あの手紙は誰からなの？

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