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「あれから赤羽とはどうだ?」
珍しくお昼休みに会議の徴集が掛かって行ってみたら
5分程の軽い説明で終わって、これ私来た意味あるの?と思わず考えてしまった
そんな思考に陥っていると、資料の角を机に叩きながら浅野くんが話し掛けてきた
……私と赤羽くんがどうなったのか知りたいみたい
『それが赤羽くんってば、一度冷たくするだけじゃダメダメでしたよ〜』
「だろうな」
『えっ。何で分かるんですか!?』
「僕がそうされたら、Aの許しが出るまで話し掛けるからだよ」
『浅野くんの話は聞いてないんですけど』
「違う。奴とは生憎、君と言う共通点があるんだ」
『はい?』
……私が共通点ってどう言うことなの?
共通の友達とかそういう事言ってるのかな
んー、まぁ。そう言われちゃそうなんだろうけど……二人が友達ってちょっと信じられない
『浅野くんって赤羽くんと仲良いんですか?』
「逆だ」
『デスヨネ』
うむむむ。ますます分からなくなってしまった
そう頭を抱えていると、浅野くんは作業を止めて「A」と私の名前を呼んだ
……急に真剣な顔して、どうしたんだろう
『はい。Aです。どうかしました……「お前は奴の事をまだ想っているか?」
浅野くんに " 奴 " と言われて、真っ先に思い描いたのは赤羽くんの顔だった
あーあ。私ったら、何かあったら全部彼に取って付けて考えてる……
これが好きかどうかははっきりと言えないけど、特別な存在である事は嫌でも自覚する
少なくとも頭の片隅にある限り、吹っ切れてはいないんだろう
『浅野くん。私の心にはまだ赤羽くんが居座ってるみたいです。あの人しつこいくらい退いてくれません』
「……そうか。君は一途だな」
『もう、自分が嫌になっちゃいます。一緒に居ちゃダメだって言われたのに、どんどん欲しくなってる』
「冷たくあしらっても、心まで嘘は付けないのか」
『ごめんなさい。折角、良いアイデア貰ったのに』
「謝るな」
彼は俯く私をそっと優しく撫でてくれた
「僕が少々Aを買い被っていた。傷心中だからすぐに手に入ると思って近付いてみたら、どうやら高嶺の花だったようだ」
『え。私の事何だと思っていたんですか』
「そうだな。今ので言うと道端で摘める草が妥当だ」
『酷い!それ雑草じゃないですか!薔薇の花くらい言ってくれたって良いのに』
「それは無い」
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時