【赤羽業】ご主人様とイヌ 3

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……なんだよあのキザ野郎





教室に入って、腰を思いっ切り落とすと


隣の席の人と視線がぶつかって、そう言えばこっちもこっちで大変だったと気付く


目が合った時赤羽くんは申し訳無さそうな感じと、何処か拗ねたような顔付きをしていた





何だねその複雑な顔は……


私もこの短時間で色々あって頭の中ぐちゃぐちゃだけどさ





とりあえず教科書を積み木のように蓄積して、バリケードを張った


勿論、彼と距離を置くためだ





「A、その教科書何？」


『赤羽くんを遮断してるだけでーす』


「……何でそんな事してんの？」


『知りませーん』





……冷たいってこんな感じかな？





バリケードの隙間から彼を見ると、ちょっと落ち込んでいる





おー、効いてるっぽい


もっとこの調子で行けば、上手い具合に彼から一歩引けるかも知れない


あわゆくばこの気持ちともおサラバだ！





彼から話掛けられる以外はこっちから、何もトスをあげないようにした





「ねぇ、俺の顔見たくない程怒ってんの？」


『別にー？』


「ごめん。……さっきの事だよね」





うわっ。今の私にその話をするのか


じわ、と顔に熱が溜まる





『ち、違うから！そんなの気にしてる訳じゃ無いんだからねっ』





うおおおおっ。これだとなんか、私ツンデレみたいになっとるうう！


もっと氷河期私に降臨しろ！





「その変な間。……図星だったんだね」


『んなっ！だから違うって言ってるじゃん！あれは事故何だから！』


「事故じゃ無いよ」


『え』





……どう言うこと！？


思わずバリケードから顔を出してしまった





「アハハッ。こう言ったら出てくると思った」


『チクショォオオ！ハメられたぁ！』





何やってるんだ私！


すぐ様、住処に帰ろうとしたら赤羽くんに止められる





「俺、Aと絶対壁作りたくないんだよね。だからそのバリケードすぐに辞めて欲しい。さっきの事も許して貰うまで謝るから」





真剣な目で見詰められてきゅうっと胸が詰まった





ハッ！私、胸きゅんしてる場合か！


今こそ。こ、心を鬼に……！





『絶対に許さないから。もう触らないで』





ありったけの低い声でそう言うと ── パキンと何かが割れる音が聞こえて


赤羽くんがゆっくりと私から離れて、教室から出て行った





え。……今の何の音？

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