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『あぁぁぁぁぁっ!!』
私は口元を抑えながら、廊下を全速力で駆けていた
バクバクと心臓がうるさいのは
思いっ切り走ったからか、はたまた緊張からか分からないくらい頭が回らない
うわぁぁぁ、どうしよう
チッスしちゃった
私赤羽くんに合わせる顔が無いよ
ギャフンと言わせてやるなんて意気込んでたけど、これじゃあ益々私が意識してしまう一方だ
飛び出してきてしまって教室に戻るにも戻れない
と、とりあえず困った時は頭の良い人の知恵を拝借しよう
端っこの教室から突き当たりの教室まで肩で息をしながら走って、思いっ切り扉を開く
── バァンッ。
『浅野くんんんんっ!』
「うぉっ。Aか。ど、どうした?」
『私をお助け下さいいぃぃ!知恵を貸して欲しいですうううう!』
「何か分からんが、ひとまず落ち着け」
『無理ですううう!落ち着けませんんん!』
「お前、ずっとそのテンションで行く気か?」
『しばらくこのままでお願いしますうううう!』
「却下だ。僕が付き合ってられん」
『うわぁぁぁあ!冷たいいいい!酷いいいい!』
……でもこれで尺をほとんど喰ってちゃアレだし、そろそろ辞めておこう
私は気持ちを立て直して、浅野くんが座っている机の向かい側に行って
机からひょっこりと顔と手だけを覗かせた
『それでですね浅野くん。ちょっと相談に乗って欲しいんですけど……』
「お前は嵐か」
『え?あぁ。あの五人組のですか?』
「違う。荒れていると思ったら急に静かになったり、天気みたいに読めない奴だと言っている」
『ん?』
「ここまで説明したのに、何でピンと来てないんだ」
何かよく分からないけど、天気予報ならそらジローが教えてくれるよ?
……って!私はこんな事言いに来たんじゃない!
そろそろ授業が始まるし、もう本題に行っちゃおう
『あの……。私さっき赤羽くんとチッスしちゃったんですけど、これからどうやって接したらいいですかね?』
「は?」
突として彼の顔が曇った
……あ、皆さん今日は雷が落ちますよ〜。この落雷注意報は多分ずっと有効です
『ず、ずばり事故チューってやつです!意図せずこうなってしまって!』
「Aはそうかも知れんが、赤羽は何か企んで無いか?と言うか、よく僕に言えたものだな」
『お願いしますっ!今教室に戻れなくて頼れるの浅野くんしか居ないんです!』
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時