ロリと公安【降谷 零】

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50m走では学年で一番速く、体育は全体的にいい成績がとれていた。

しかし、Aは勉強が全く出来なかった。

「4と9を足すと？」
「じゅうよん…？」

灰原やコナンに丁寧にと教えられてもAはなかなか理解しなかった。

指で頑張って数を足して行くが指の本数にも限界があり、10から先が分からない。

「慣れるしかないな」
「うぅ…」

特に算数が苦手なAは家に帰って宿題をやろうとするものの、全然進まない。

「宿題か」

降谷がいない為、自宅には風見がいた。

「わけわかめ」

なんでAからそんな死語は出てくるのか。勉強はできない割には変な言葉ばかり覚えているのが不思議だった。

風見はAが学校から持って帰っていた粘土を小さく丸める。7＋5の問題を指さす。

「7個の丸が10個になるにはあといくつ必要？」
「3つ！」
「じゃあ、5から3引くと？」
「2…？」
「10と2を足すと？」
「12！！」

風見も公安なだけあって頭も良い。子供に簡単な問題を教える事くらいは出来る。

Aは恐らく、学校で教わったやり方では理解出来ないことが多いのだろう。

やり方を覚えたAは黙々と算数の問題を解いていく。

「風見、丸つけて」

自信満々に計算ドリルを差し出してくるので風見は丸をつけてやることにした。

「最後のこの問題以外は全部あってるよ」
「むぅ…」

間違った問題をAは風見に説明してもらうと解けるようにまでなった。

「さすがだ！君は天才かもしれない…！」
「よしゃー」

たった1ページの宿題に3時間かかったのはここだけの話。

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