【妖怪ウォッチ】溶けない氷と命の灯火【大ガマ】 (ページ9)

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お気楽な兄貴分大将ページ9

『…嘘じゃなかったんですね。』

『嘘！？

偉大なる本家大将様が嘘なんかつくかよ！』

『すみません、てっきり嘘だと思ってました。』

正直にそう告げると、『やっぱり威厳が足りないのか…？』とか何とか呟いている大ガマさん。

『まぁ今はそれ処じゃねえ、早く入ろうぜ！』

『あ……、はい。』

大ガマさんに手を引かれ、いよいよお屋敷へとさしかかる。
戸を開け、『今帰ったぞー！』と大ガマさんが一声かけた所、直ぐ様目の前に紫の怪しい煙が現れた。

『お帰りなさいませ～、親方さまぁ～。

あら～？今日はお客人をお連れですのね～？』

煙が消えて、現れたのは煙がかった白髪色白美人でボインなお姉さんだった。色気がすごい。

『おう、えんらえんらか。

客人か…まぁそんな所だな、悪いがオレはこれからキュウビとオロチ、土蜘蛛を集めて話さなきゃならねぇ事があってな。その間だけ、コイツ任せても良いか？』

『あらぁ～、分かりましたわ～。

それではご案内致します～…えぇと…お名前は～？』

『…あ、Aです。』

『そう、A様ね～

私はえんらえんら。
それではお部屋に案内しますわ～。』

今まで大ガマに掴まれていた手は離され、今度はえんらえんら…という妖怪(？)に手を引かれて行く。
何だか見知らぬ場所すぎて不安になり、ちらりと大ガマさんの方に視線を向けると大ガマさんはひらりと手を振ってくれていた。
可愛げあるじゃないか。

『うふふ、親方さまに見つけて貰えて良かったですわね～。』

少し嬉しかったのが表情に出ていたのだろうか、えんらえんらさんに微笑まれてしまった。相変わらず色気が凄い。女の私でも見とれてしまう程に。

『妖怪には悪い事を企む者も居るから～…。

A様が被害に合わなくてよかったです～。』

『妖怪も色々大変なんですね…。』

正直、妖怪とは悪さをするものだと考えていたから実際に会ってみるとそうでもないんだなと安心する。だけれどそんな優しい妖怪だけなのでは無い事を聞くと、心底大ガマさんに見つけて貰えて良かったと思う。