だめだろう。 ページ12
side 大ガマ
「待たせたな、居るか?」
やっとの事で話し合いを終え、娘が待つであろう部屋の前で立ち止まり声をかける。
…が、返事がない。
おかしいな、えんらえんらにはこの部屋に案内するよう伝えたんだが。間違え……いや、えんらえんらに限ってそれは無いか。
「入るぞー?」
そう一言だけ述べ、戸を開く。
…と、そこには穏やかな寝息をたてるAが。
なんだ、寝ていたのか。
そっと側に近寄り、顔色を伺ってみる。
……異状は無さそうだ、疲れたのだろう。
今はそっとしておいてやるか。
オレは立ち上がると、部屋の押入から目新しい薄物の掛け布団を取り出し、そっと彼女に掛けてやる。
ふと彼女の耳元に視線を向けると、不自然に耳元から首元にかけて、薔薇の花のような痕が残っている事に気がつく。
これは…。
いや、まさかなぁ。偶然だろ。
__もし、偶然じゃないとしたら?__
「あー…くそ、やっぱ明日にでも妖魔界に向かわねぇと…。」
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作者名:しゃまる。 | 作成日時:2019年6月30日 23時