ぷつりと切れる ページ11
えんらえんらに案内されて辿り着いたのは、何とも…鮮やかな部屋だった。思いきり派手ではなくまとまりがあり、センスのある部屋。
妖怪の世界なのだからもっと不気味な場所なのではないかと心配をしていたが、そうでもないようだ。
「親方さまはもうじきいらっしゃいますわ〜。
私はもう下がりますけれど、一人で平気かしら〜?」
『あぁ、はい…起きになさらず。』
えんらえんらさんは「そう、何かあったら遠慮無く呼んでくださいませね〜。」と一言告げ、にこりと微笑むと紫色の煙と共に消えてしまった。
やっと一人になれた。
ほっと溜め息をついて背筋を楽な体制に戻す。
これからどうなるんだろう。
大ガマさんは此処に居て良い、みたいな事を言っていたけれど。いまいちピンと来ない。
そもそも大ガマさんが言っていたのがどうにも気にかかる。【未練の無い人間はこんな場所には来ない。】?
だとしたら、私は何故こんな場所に来てしまったのだろう。
一生懸命に考えるが、どうにも答えが出ない。
私は、確か朝家を出て。
学校に着いて、保健室で休んで…。
何時もより気持ちの良い風が吹いたから、気になってそっと目を開けてみれば平釜平原に居た。
…これだけの情報じゃ、どの道答えには辿り着けないだろう。
それにしてもとても疲れた。
おかしいなぁ、そんなに歩いていない筈なのに。
もうすぐ大ガマさんが戻って来るのだから、寝てはいけないと分かってはいるのだけれど。
………あ、だめだ。寝ちゃう。
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夢だったら、嫌だな…______。
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作者名:しゃまる。 | 作成日時:2019年6月30日 23時