14話 ページ15
だから、あの子達に何か起きた時には
私が身代わりになり、私が人間達に手を下さなければならない
何より私がこれから先、あの子達をちゃんと引っ張って行けるかどうか……
そんなことを言ってたらキリがないが……
とにかくそんなふうに不安で怖くて仕方なかったのだ
私たちの知る場所とはまた違うこの世界では何が起きるか分からない
私達は妖怪だからいいがまなちゃんは人間だから
もし少しでも間違えてあの子を死なせてしまったらと思うと怖くて仕方ないのだ
息が詰まって上手く吸えなくなりそうな程に
それ程にまなちゃん、いや、あの子達は私の中でとても大切なかけがえのない存在になっていたのだ
ねずみ男「お?A!Aじゃねぇか!!」
そんな事を考えて歩いていれば不意に前方から声が掛かる
その声は聞き覚えのある声、ねずみ男の声だった
『……ねずみ男……』
ねずみ男「んだよ、そんなしおらしい顔しやがって……どうせ鬼太郎達も一緒に来ててなんか考えてたんだろ?」
『はぁ?』
ねずみ男「そんなイライラすんなよ、鬼太郎達も、もう小さな餓鬼じゃねぇんだ、自身を守る術だって身につけてる……」
『……分かってるわよ』
ねずみ男「ふぅ、ほんとお前さんは俺様に対して冷たいねぇ……おっと、忘れる所だった」
『?』
ねずみ男「あそこ、あの一際目立つ黒い大きなビル、あんだろ」
そう言えば、そのビルを指さすねずみ男
『それがどうかしたの?』
ねずみ男「あそこ、あそこの建物ねぇ……物騒だぜぇ?」
……
『また何かやらかしたの?』
ねずみ男「ちげぇよ……たまたま通りかかったんだけどよォ……門番みてえに扉の前に立ってる男がいるんだがな、そいつ……銃持ってたんだよ……しかも、これが本物ときた」
『……それ、本当なの?』
ねずみ男「おうよ、確かな情報だぜ、あそこのビル、ポートマフィアっつう、おっかねぇ裏社会を仕切ってる感じの組織の本拠地なんだよ」
『警察は?』
ねずみ男「そこなんだよなぁ…どうやらよ、ここでは警察は軍警ってやつなんだが、なんでもそのポートマフィアの構成員ってのがほとんど異能力って不思議な能力身につけてるやつで構成されてて手が出せないんだと」
『異能力……』
ねずみ男「そそ、重力操っちゃうやつとか色々、その異能力ってのを無効化しちまう異能力もあるんだとよ」
『へぇ……』
ねずみ男「そん中でもな、芥川龍之介って言う男がいるんだが…ほら、これ指名手配されてる男」
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作者名:銀岬 x他1人 | 作成日時:2018年11月29日 0時