普通じゃないモノへの恋は難しい！！ (ページ42)

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…人間。ページ42

土籠side

俺達は帰り道を歩く。

祭りは今も変わらず、ドンチャン騒ぎである。

……俺は。

…コイツ…ほのかの事をどうとも思ってないなんて事はありえない。

だから、七不思議の姿を見られた時に怯えたような顔をしていたコイツを見て…

……ズキリ。

…心が痛かった。

俺がドジを踏むたびに困ったような顔をして笑いながら手伝ってくれる事がもう…なくなるかもしれない。

…俺はこの日常が大好きだった。

…人間と怪異の時間はもちろん違う。

俺にとってはあっという間になるという事もわかっていた。

…それでも。

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ほのか「…あ！土籠先生！」

土籠「ん？どうしたんですか？」

ほのか「ふふ、ほら、肩に蝶々が！」

…臭い例えかも知れないが、太陽の様に明るい笑顔で笑うほのかは……とても可愛かった。

土籠「！？えっ！？」

ほのか「ふふ、土籠先生が優しい人だからでしょうかね。」

…ホントは性悪な怪異の俺に向けてくれる言葉。

土籠「ドジな私なんかがですか…？」

ほのか「普段はおっちょこちょいでも、優しいのとはまた別ですからね！優しいにはどうしてか動物が集まるって本で見ました！」

虫ですけどね！とまた笑う。

………人生楽しいことばかりじゃないだろうに。

無理やり笑っている顔なんて見た事がない。

喜怒哀楽が豊かでとてもわかりやすい。

…とても…人間らしい。

人間はここまで強くなれると見せてくれたのは…お前だった。

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ほのか「わっ…邪魔だなぁ…。」

先程から少しコケているほのか。

無理もない。目隠しをされているのだから。

土籠「…またコケる前に俺の腕捕まっとけ。」

ほのか「…いいんですか…？」

目は見えないが、身長差があるため上目遣いになるほのか。

っ…！………可愛い。

土籠「あァ。…お前に怪我されんのは嫌だからな。」

ほのか「…ふふ、プリントばら撒いちゃった時に手伝って貰えないですもんね。」

……わかってんのかわかってないのか…

……ギュ。

手に伝わる暖かみ。

…やっぱ、コイツしか考えらんねぇ。

もう、俺はお前に溺れてんのかもな。

…俺がお前に送った簪の意味は……。

……気づかなくてもいいのかもしれない。

…少しほのかの髪を見る。

…………赤色『ベゴニア』の簪がささっている。

……花言葉は…【片思い】。

…歪んだハート型からの由来らしい。

………もう一つは__________________。