【鬼滅の刃】皆さん、お変わりないようで。其の弍 (ページ46)

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番外編　貴方の遺書は・続ページ46

玄弥、ふとした日常で気遣ってくれてありがとう。とっても優しくて便りがいがあること、私知ってるから。

お兄さんの風柱と、仲直りしてね。ごめんね。見届けることができなくて。

しのぶさん、怪我の治療をしてくれてありがとうございました。心配してくれてありがとうございました。どうやら私は心配を無下にしてしまうようです。

だって、これを見るとき私は死んでますから。本当に、本当にごめんなさい。

宇髄さん、遊郭では何度も守っていただいてすみません。死なないよう鍛えてもらったのに死ぬことになってしまってごめんなさい。

お嫁さんたちと、幸せに暮らしてくださいね。

無一郎君、いっぱい迷惑かけてごめん。いつもうるさくてバカで本当にすまん。

私、無一郎君にはもっとずっと幸せになってほしい。思いを忘れず、前を向いて生きてほしいから。

その他、お世話になった隊士の皆さん、柱の方々。

今までありがとう、大好きだった。

幸せだった。精一杯生きようと思える日々だった。大切で、全てが愛しかった。

私はこれが皆の目に触れず処分されることを願ってる。

だって死にたくないし。まだ２０にもなったないんだよ？いやだよ、人生の４分の１も生きずに死ぬとか。

でも、遺書を書かせるってことは御館様にはそれなりの確信があったってことで。

いやだなぁ。

死にたくないなぁ。生きていたいなぁ。

皆と一緒に長生きできる未来はないのかなぁ。

ねえ、皆。

私、私ね。もしも、もしももう一度皆と会えるなら。

今度は鬼なんて恐ろしい生き物はいない世界が良い。苦労も知らず、長生きできる世界が良い。

それで、また会えたときには私、こう言うから。

「皆さん、お変わりないようで。｣って＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿これが、菅野A様の遺書の一部始終でございます。

この遺書はA様が望んだ通り、処分するように現在手配しております。

皆様、それについてご意見はありませんか。なければ、今からこの遺書は焼きます｣

産屋敷家のご息女の声が途切れ、異論がないことを確認したあと

Aの遺書は、皆が見守るなかで灰となり消えた。

遺書を書いたあとも変わらずあかるく振る舞っていた彼女の心境は、いったいどんな物だったのか。

それは、もはや誰も知ることはできなかった。