282話 探し者 ページ9
「どうだ、体は動かせそうか」
愈史郎さんにそう言われ、右手を床について体を起こす
......やはり、急に片手がなくなると左右のバランス感覚が狂ってしまう
まあ、足は無事だっただけ運が良いと感謝するか
風柱が私と一緒に村田さんに渡してくれた刀を杖のようにして
どうにか立ち上がったは良いが、その瞬間ビリっと全身に痛みが走った
『う.....はぁ....肋骨も、折れていたみたいですね.....まあ、仕方ないですけど』
「!?おま、肋骨もかよ!よく動けるなホント.....最早怖えよ....」
多少ズキズキ痛むけれど、大丈夫
これぐらいの痛みならまだ動ける、そう、動け____
全集中の呼吸と念能力を同時に使えば、全身の痛みぐらい誤魔化せる
それに、柱である私が戦わなくてどうするんだ
......ここにいる鬼は、最低でも下弦クラスの強さの気配だから
もしかすると、獪岳さんを連れ去った鬼がいるかもしれない
それに、煉獄様の敵である上弦の参もだ
『.....手当て、ありがとうございました。....皆さんもどうか、怪我にはお気をつけて....』
「あっ!?お、おい、待てよ流星!そんな怪我でどこ行くんだよ!」
村田さんが必死に呼び止めてくれる声がするが、止まることはできない
戦場に行かなければ
今この瞬間にも、どこかで柱の皆が上弦と戦っているかもしれない
どこだ......強い鬼の気配を探せ
急げ、時間がないんだ
何がなんでも、手遅れにするわけにはいかないから______
『ッ!なに.....!?』
私が今いる場所から一番近くにいる、強い鬼
見つけた、けれど.....
どうやらしのぶさんが、その鬼の近くにいるらしい
でも、可笑しい
しのぶさんの気配が、どんどん弱くなっていく.....
『......行かなきゃ......』
気配から察するに、相手はおそらく上弦の鬼
他の隊士も、まだそこに応援に向かう気配はなさそうだ
片手だと走りにくいなぁ、私、夜明けまで生きてるかな
そう思いながら、だんだんと自分の体温が上がっていくのがわかる
心拍数も格段に増えているなかで、私は無一郎君の言っていたことを思い出していた
.......なるほど、これが正常な痣の発現状態か
″存在の呼吸 弐ノ型 廻天″
「わぁ、危ないなぁ君......会って早々切りかかってくるなんて酷いじゃないか
でも、君も美味しそうだな。こんにちは存在の呼吸の使い手さん、今日はとっても良い夜だね」
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時