280話 欠損 ページ7
「ッ......躊躇するんじゃねえ!!体張った流星に続けェ!」
そんな風柱の緊迫した声が聞こえた、すぐ後だった
身体中が、痛くて痛くて仕方ない
御館様たちは守れたようだけど、左腕は飛ばされた......目も、何かの欠片が入った
どうしよう、きっと左目は失明だ
.........片目と片手で、戦えるだろうか
声も掠れてしまって、絞り出した声は小さかった
嗚呼、私、足手まといだなぁ
そう思ったとき、私の体は唐突に誰かに強く引かれ、すっぽりと、その人の腕の中に収まった
温かい、大きな腕.......
骨格からして男の人の腕だけど、誰かはわからない
『だ....れ、です.....か』
無事にどこかの地面に着地した衝撃を感じ、私を抱き締めているその人に問いかける
「おい、無理に話すんじゃねえ黙っとけェ。......チッ、腕が吹っ飛ばされたか.....」
......この声は、風柱
どうやら怪我の手当てをしてくれるようで、左肩に布が押し付けられた感覚がある
それだけで体には激痛が走るが、生きているだけマシだ
おそらく、能力を使っていなければ体も残っていなかった____
少しだけ痛みで顔をしかめた私に、風柱がそっと顔に触れる
「顔も火傷か.....おい、耳はちゃんと聞こえるかァ。聞こえたら、あ、とか何とか言え」
そう言って、風走はどうだァ?と両側の耳元で囁いた
聞こえる......けど
やはり、左半身の方が被害が大きいらしい
『ひだり、が......聞こえ......ませ、ん....』
「.....目は?両方見えるかァ?」
『ひだり、見えませ.....ん』
「.....そうかァ」
ポツリポツリとこぼす私の声を聞きながら、風柱は傷の具合を見てくれる
.......どうして、助けてくれたんだろう
助けてくれたのが風柱だと知ってから、私はそればかりが気になっていた
私と風柱は、別に親しくはない
しのぶさんや蜜璃、義勇さんなら、まだわかるけれど
『どうして.....助けて、くれ.....たん、ですか......』
かろうじて視力の残っている右目を薄く開け、風柱を見る
だんだんと呂律が回るようになってきた為、傷を治す能力が使えているということ
「.....前、冨岡より先には死ぬなっつったろォ。それだけだァ」
そう答えてから、風柱は私を抱えあげて歩き出したのだった
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桑島さんはまだ生きていて
善逸は、獪岳が人であり続けていると信じて無限城で彼を探しています
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時