279話 希望(不死川side) ページ6
まるで、時間がゆっくりと流れるように感じられた
ドォンッ
御館様がいらっしゃる屋敷が、目の前で爆発したのだと気づいたのは
爆音が辺りに響いた、数秒後のことだった
____嘘だ
御館様が、こんなところで死ぬわけがねぇ
あの偉大な御方が、こんなに簡単に逝ってしまうなど、そんなことが_____
「テメェかァァ!御館様にィ何しやがったァァアーーーー!!」
針のような物に拘束された、若い黒髪の男が見える
その周りには、爆発で崩壊した屋敷のあとばかりが、果てしなく広がっていて
俺だけじゃねえ、他のどの柱も諦めただろう
御館様は死んだのだと
もう、御館様はこの世にいないのだと
しかし、その男に近づくにつれ
俺の瞳には、どうにも信じられねえものが映った
「____この男が無惨だ!鬼舞辻無惨!!頚を斬っても死なない!
そして!!御館様もあまね様も、全員ご無事だ!!流星が体を張ったのだ!!」
御館様とあまね様、そしてご息女様の周りだけ
「見えない壁」に囲われているかのように、畳、布団、地面
____その空間の何もかもが、爆発の前のまま、時間に取り残されたようだった
「鬼舞辻ィ....無惨....!」
「は、.....Aッ!?」
鬼舞辻無惨を殺す
それしかない、そう思って刀が届く範囲まで全力で走る
.......だが
鬼舞辻無惨の足元に、血だらけの女が倒れている
____流星だ
「Aーー!!」
「ッ.....Aッ!頼む、頼む....!」
冨岡と竈門が、今にも泣き出しそうな顔で叫んでいる
まず、アイツは生きているのか?
恐らく御館様を守ったのは流星だろう、だが
.....先ほどから、流星はピクリとも動かない
ように、見えた
『....ぃ、に....ぁ』
その時、確かに流星は何かを喋っていた
しかし、ボロボロに破れた羽織から見えた流星の左肩
そこには、あるはずの腕がなかった
....当たり前だ
鬼をぶっ飛ばすために作られた爆弾を、もろに喰らった
『きに、しあぃで......わ、しを』
____気にしないで、私を
「ッ......躊躇するんじゃねえ!!体張った流星に続けェ!」
″風の呼吸 漆ノ型″
皆が心を決め、鬼舞辻無惨に斬りかかる
が、突如地面は、地下に落ちる扉へと切り替わった
クソ.....罠か....!
俺は最後に倒れた流星の羽織を掴み、流星を強く腕に抱えて
重力に従い、地下へと体を放り投げた
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時