412話 孤独(Noside) ページ49
その女は、血縁者も既になく親しい恋人もおらず、完璧なまでの独り身だった
名を、
在世は比較的整った顔立ちのため本人が結婚したいと望めば、すぐ縁談が舞い込んできたことだろう
そうならなかったのは、彼女が鬼殺隊の一員だったからである
その頃の鬼殺隊には
一際力があり強いとされる剣士が、存在の呼吸の使い手である在世を含め三人いた
「貴方の呼吸は、型が多いわよね。私は7つしかないけれど、もっと作った方が良いかしら」
「いや、別に問題ないだろう。お前の型にはそれぞれ力がある、それで良い」
一人は、日の呼吸の派生である月の呼吸の使い手
________継国巌勝という男
「あら、今日は遠方の任務?先程、煉獄のお人が貴方を探しているのを見かけたけれど」
「在世さん.....ええ、今日は遠方の任務がありまして。彼には、そうお伝えください」
もう一人は、″存在の呼吸以外の″全ての呼吸の元である日の呼吸の使い手
________継国巌勝の実の弟である、継国緑壱という男だ
実質、鬼殺隊は主にその3人の手により支えられていると言っても過言ではなかったほどだ
だから、3人のうち誰も欠けてはならなかった
3人が揃うからこそ、鬼殺隊の戦力は飛ぶ鳥を落とす勢いで上がっていたのだ
そう、欠けてはならなかった_______
_______はず、だったのだ
1番最初に欠けたのは、前々から緑壱に劣等感を抱いていた巌勝だった
......在世は巌勝とはそこそこ仲良くやっており、巌勝の心中にも気がついていた
だが、いつかは丸く収まるだろうと、特に気にしてはいなかった
だからだろうか
巌勝は鬼になるという形で、鬼殺隊や在世を裏切った
当時の御館様を殺害し、仇であり本来敵対すべき存在の鬼舞辻無惨に頭を下げた巌勝
そうしてその騒動から一月も経たぬうちに、緑壱も後を追うように鬼殺隊を抜けた
.....いや、違う
彼は、鬼殺隊を追い出されたのだ
鬼舞辻無惨と対峙しておいて、止めを刺せなかったこと
側にいた鬼の女をみすみす逃したこと、兄の巌勝が鬼になったこと
緑壱の指導で痣を発現させた者が、バタバタと死に始めたこと
一身に全ての罪を負い、緑壱は、明け方近くに1人で鬼殺隊の本部を出ていった
「.......どうして?どうしてよ巌勝、緑壱、」
在世心寿は、たちまち1人で鬼殺隊を支えなければならなくなった
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時