408話 猫と薬 ページ45
その猫は、背中に何か注射針のような変わった物を背負っていた
.......あの猫はなんだ?
切羽詰まっている状況下で、目を凝らしながら私はその三毛猫を見ていた
あれは鬼殺隊の敵と味方、果たしてどちらか
それとも、もしや鬼殺隊には何の関係もないただの猫か
____ドスッ
『..........っ、!?』
そしてその1秒後には、私を含めた5人に、猫が背負っていた注射針が勢いよく飛んできた
唐突の攻撃に対抗する術もなく、私はただその注射針を受ける
敵ではないと信じたいが_______明らかに、これは怪しいと思う
薬なのか毒なのかわからない
.....しまった、また自分の不注意で......
だけど、すぐにそんな自責の念は頭から消えて無くなった
『(すごい、無惨の毒が薄れていく........あの猫は味方だ、それも普通の猫ではない)』
いくら考えようと、三毛猫の正体はわからないが......
とにかく動くのが多少楽になったため、全員でどうにか無惨を押し込めていく
「刀を、有る限りの力で強く握れ!刀身が、赤く染まるまでだっ....!!」
『!?えっ、刀を......強く握れって、』
気がつけば、伊黒さんの刀が赤く染まっている
_____そう言えば、無一郎君の刀も最後は赤くなっていた
上弦の壱の体に刺さった赤い刀は、鬼の回復を遅める効果があったように見えた
強く握って刀身を赤くする、そんなことが本当に可能なのかはわからない
だけど、とにかくやらなくては
「冨岡アァァア!!受けやがれェ!!」
「!?.........あ、こ、来い!不死川!」
ガキィン、
兄さんと不死川さんは、今しがた刀身を赤く染め上げた
悲鳴嶼さんもすぐに自分の武器同士をぶつけ、その鉄を赤く染めている
最後は、私
『ふ.......つ、ぅ....』
渾身の力を込めて握ったその刀は、伊黒さんの言う通り、刀身が赤く赤く染まっていた
フェイタンの技を使ったときの赤とはまた違う、美しい赤色だ
綺麗______
呑気にもそんなのとを思いながら刀を振るっていると、不意に伊黒さんの体が傾くのが見える
『伊黒さ、息を........危ないです、伊黒さん!』
「ぐ....伊黒ォ!!避けろ、早く動けェ!」
不死川さんも同じように呼び掛けるも、応答なし
ああ
もうダメだ、今度こそ1人欠けてしまう____
しかし、私が想像したような血飛沫は上がらず
不可解にも、伊黒さんの体がフワリと宙に浮いたように見えた
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時