278話 無我夢中 ページ5
その日私は、ちょうど本部に痣の書物を取りに行っているところで
鴉の伝令を聞いたときには、既に本部の屋敷が見えているぐらいの場所だった
『!?どうしてそんなことに.....!』
「急ゲ!御館様ヲ守ルベシ!カァァァ!」
誰のかもわからない鎹鴉に急かされて、私は全速力で屋敷に向かって走る
_____探れ、感じ取るんだ、鬼の気配を
屋敷にある人の気配は四人.......御館様とあまね様、そのご息女だと推測される
それから、鬼の気配が一つ
おそらくその正体が、鬼舞辻無惨だろう
『.......逃がすか.....』
大丈夫、屋敷はもうすぐそこだ
もつれそうになる足を必死に動かして、前へ前へ走る
気配を絶ち、音を殺して
″自らの命(マインリアリティ)″
.......能力を使えば、多少は体力の温存に繋がるはず
そう思いながら地面を蹴り、塀に登る
「_____私が死ねば、今まで以上に鬼殺隊の士気が上がる」
「話はそれで終わりだな?」
黒いコートを身にまとった、20代前半から後半辺りの年齢に見えるその男
髪は、いつか炭治郎が話していたように、少しカーブしていた
あれが______あれが、鬼舞辻無惨
「ああ、こんなに話を聞いてくれるとは思わなかったな....
ありがとう、無惨......!?」
″存在の呼吸 肆ノ型 許されざる者″
『御館様に近づくな.....この、腐れ外道が』
今までで最速で動けた攻撃だった
だが、頚を狙った私の刀は精々無惨の頬を掠めただけ
.....うまく隙をつけたため当たったが、真っ向ならまず私に勝ち目はない
だが、今はそれでも良い
『御館様!あまね様!ご息女様....ッ』
「A.....?っ、ダメだ、こちらに来てはいけない!」
無惨の体をうまくすり抜けて駆け寄る私に、御館様は必死にそう叫ぶ
こちらに来てはいけない?一体どうしてですか、御館様
焦ったような表情をした、あまね様と御館様
だけど____敬愛する人を見捨てる理由など、存在するものですか
死に物狂いで無惨の前に立ちはだかれば、微かな火薬の匂いが鼻を掠める
火薬.....?何故....
『....?御館様、まさか貴方は.....ッ』
爆発?まさか、この屋敷ごと____
そんな疑問を込めて御館様を見るが、答えが返ってくるはずもなく
『っ....』
″神の守護(パーフェクトキューブ)″
ドォンッ
次の瞬間、目の前の光景は全て真っ赤に染まっていた
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時