403話 隊士の命 ページ40
どうするどうするどうする、どうする
もう既に地上では戦いが始まっているようだが、私たちが放り出された場所は市街地だ
夜中のためまだ人気は少ないが、市民を早く避難させなければ
このままでは、確実に一般人に犠牲が出る____
そんな迷いや躊躇の結論も出ないまま、私は片手で刀を握りしめ戦場へと走り出す
「行け!進め!柱の前に出るんだ!!」
「柱を守る肉壁に成れ!!少しでも無惨と渡り合える剣士を守るんだ!」
______嗚呼、なんという自己犠牲の精神なのだろう
少し走って辿り着いたそこは、まさしく地獄絵図としか言い様のない光景だった
傷だらけでボロボロになった四人
無惨の攻撃の度に辺りに飛び散る、隊士たちの血液
.......その足下には
胴や四肢、首などを裂かれた隊士の死体が無数転がっている
『やっ.......やめろ、クソ野郎!!私の仲間に手を出すなーー!』
_______逃げて
急いでその場に駆け寄って、必死で彼らの体に手を伸ばす
お願い逃げてよ、そこから逃げて
そのままでは、無惨の攻撃の餌食になるから
だけど私の前にいた隊士は、無惨の攻撃で一瞬で体をバラバラにされた
殺されたのだ
私の目の前で、大切な仲間が死んでしまった_____
「俺たちは今まで、どれだけ柱に救われてきた!?柱がいなきゃ、とっくに死んでた命だ!」
ザシュッ
また一人、無駄に隊士が死んだ
「臆することなく戦え!!今こそ、救われた命を使うときだ!」
ザシュッ
また、攻撃を正面から喰らって死んだ
顔見知りの隊士たちの体が、バラバラにされて地面に転がっている
真っ赤な鮮血は、転がっている彼らが流したもの
『............ハッ、ぁ、......』
ここで私が立ち止まったって、意味も何もないことぐらいわかっていた
死人は、所詮二度と生き返ることはないのだ
話すことも、動くこともない
.....だけど
とてつもなく悲しくて虚しくて、やるせなかった
あんなに良い人たちなのに、何故死ななければならなかったんだと
どうして善人ばかり、こんな目に合うのかと
『..........相手のっ、動きをよく見ろ!避けろ!逃げろ!敵はどこを見ている!?
次はどこに攻撃が来る!誰が、どこが狙われる!
見極めろ!!やっただろ!!私との稽古は、何のためにあったと思ってる!
簡単に死ぬのは許さない!鬼殺隊の意地を見せろ!無惨に、何としてでも一泡吹かせてやれ!!』
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時