【鬼滅の刃】偶然、または必然か・漆【ハンターハンター】

398話　謝罪 ページ35

カラン＿＿＿＿＿＿


幼い子供が手作りした、粗末で小さな木製の笛

数秒間無言で手を合わせてから、その笛だけ手にとって懐に入れる



.......着物は流石に無理だけど、こんな小さな笛ぐらい、埋葬してやっても良いだろう




『すみません、もう終わりました。玄弥君と、無一郎君は＿＿＿＿＿』




そう言って後ろを振り向けば、不死川さんを抱えた悲鳴嶼さんの姿が、真っ先に目に写る


不死川さんは死んでいない、ただ気絶しているだけだ

だけど.......



悲鳴嶼さんが不死川さんを下ろした横に寝ている、玄弥君の体は






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿鬼の体と同じように、灰になって崩れて来てしまっていた




『っ、な......げ、玄弥君！なんで、そんな.......玄弥君！玄弥君！！』

「.....A......」




すぐさま駆け寄って玄弥君の体に手を当てるも、能力は効かず崩壊は止まらない


何故？どうしてなの？

玄弥君が喰った上弦の壱が、肺となって消えたから？



ぐるぐると浮かぶ疑問も焦りもいっぱいいっぱいで、私は嫌な汗を沢山かいて



ごめんなさい


ごめんなさい皆、ごめんなさい

守ると言ったのに、嗚呼、私は玄弥君を死なせてしまう




「泣く....なよ......不細工に、なるぞ.......？俺よりも、A.....時透さんを.....」

『！ご、ごめ、ごめん玄弥君。ごめんね、本当にごめんなさい』




泣いている私を見て微かに笑い、玄弥君は無一郎君の方を見る



無一郎君は、まだ生きているけれど.......

気配が、いつもより格段に弱い


おそらく無一郎君も、早く処置しなければ危ないだろう



＿＿＿＿そろそろ不死川さんが起きる頃だ

彼はこのまるで地獄のような光景を見て、いったい何と言うのだろうか




.............ごめんなさい、玄弥君、不死川さん


それから、皆も、ごめん





私はやっぱり、仲間を守りきれるヒーローにはなれなかったよ

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