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277話 桑島さん ページ4

『え......と?あの、貴方は.....』




とりあえず頭を上げてください、と頼むと、涙涙の顔を上げるおじいさん


......誰だろう、という疑問よりも

この人はなんて優しい人なんだろう、と、そう思った



彼が誰なのかは知らないが、獪岳さんや善逸と深い関係であったのだろうことはわかる

それなのに彼は、獪岳さんが連れ去られた元凶である私に、頭を下げているのだ




「........儂は、善逸と獪岳の親である桑島慈悟郎と言う者じゃ。

 雷の育手でな、二人は儂が育てた。血の繋がりこそないが、二人とも儂の大切な子供じゃ」




心配、優しさ、慈愛、感謝


そして、二人に対する絶対的な信頼の感情




『......いえ、謝るのは私のほうです。本当に、申し訳ございません。

 柱でありながら、貴方の大切なお弟子様をお守りすることができませんでした』





支えてくれた善逸の腕をそっと振りほどき

私は、先程の桑島さんのように深く深く頭を下ける



私がもっとしっかりしていたら、強かったら、力があったら______


そう考えると、どうにも思いが止まらなくなってしまって



何が存在の呼吸だ

何が在り柱だ、何が伝説の剣士だ



.......そんなの、全て意味のない戯言だった




「お嬢さん、儂は......儂は、獪岳をずっと信じておる。あの子はとても強い子じゃ。

 きっと生きることに長けておるのだろう。連れ去られても鬼になっても、どこかで生きている。


 人の心を失わず、帰ってくると信じておるのじゃ」




桑島さんの一つ一つの言葉が本当に温かくて、私はまた涙が出そうだった


善逸はゆっくりと背中を擦ってくれて、嗚咽が漏れる

私も信じたい、彼のことを信じたいけれど





『(......お願いですよ獪岳さん、必ず帰ってきてくださいね)』





心のどこか隅っこで

鬼から逃れて帰れるはずがないと、夢を見ることを許さない自分がいた






































それから私が、次に鬼殺隊の本部に向かった日




「鬼舞辻無惨ニヨル、鬼殺隊本部ノ襲撃!向カエ!向カエ!直チニ鬼殺隊本部ニ向カエェェェ!」




それは


大きな運命の歯車が動き出す






とある静かな、夜のことだった

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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時

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