検索窓
今日:18 hit、昨日:18 hit、合計:33,988 hit

294話 先生 ページ21

木々が生い茂っている森の中で、どうやら私は尻餅をついているらしかった


.....しかし可笑しい

先程までとは違って、今回の場所は近くに人の気配がない



どこかに隠れているのか、もしくはここには人がいないのか?


そうは言っても彼らは人の思いが形になった物であるため、本当の人では勿論ないのだが




「____あはは!お兄ちゃん、こっちこっち!」

「____うわあ、鬼が来たぞ!みんな逃げろぉ!」

「____わはははは!お前たち、この鬼様から逃げてみろー!」




するとどこからか、そんな元気な子供たちの声が聞こえてくる



......子供.........

嗚呼なんだ、鬼ごっこをして遊んでいるのか


でも、どうしてこんな所に小さな子供がいるんだろう?



その声だけを頼りに森の中を歩いて行けば、寺....?のような、遠くにそんな建物が見えてきて

どうやら、子供たちの声もそこから聞こえるみたいだ




『(......ここ、かな?)』




表には人がいなかった為裏に回ってみると、そこで子供たちは鬼ごっこをしているらしい

小さな子供たちの、駆け回る足音も聞こえてきた




「........あっ!お姉さん、やっと来た!」


『えっ?......え、嗚呼、そのお姉さんって私のこと?』




ヒョイと顔を出してそこを覗けば、遊んでいた子供のうちの1人に気づかれる


まだ、本当に小さな子供ばかり.....

こんなに幼い子供たちが、鬼の犠牲になったのか



そんな風に思うと少し悲しくて目を伏せた私に、子供たちは、勢いよく飛び付いた




『!?......わっとと、急に飛び付くと危ないよ。どうしたの?』




複数人に一気に飛び付かれたために少しよろけて笑うと、子供たちもニッコリとして私に笑い返す




「あのね、あのね!聞いてお姉ちゃん!」

「お姉さんは先生を知ってるかな?大きくて、優しい先生なんだよ!」


『先生.....?』




____私は昔は、先生と呼ばれていてな




少し前に、そんな話を聞いたことがあるような

そう思って記憶の中を探ると、1つ思い当たる節があった




『岩柱様......いいえ、悲鳴嶼さんのことだよね。そうか、君たちは悲鳴嶼さんの子供なんだ』




近くにいた子の頭をそっと撫でながらそう言えば、そこにいた子供たち全員


嬉しそうに、力強く、「うん!そうだよ!」と頷いてくれたのだった

295話 真実は、→←293話 兄からしたら



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。