291話 桜 ページ18
いや、いやいや、本当に意味がわからない
ニコニコ笑ってこちらを見ている二人を眺めつつ、私は必死に頭を働かせる
.......さっきまで、ここは夢の中だと思っていたけど
もしも夢の中だとすればどうして、私の知らない人物が出てくることができるの?
私の夢なのならば、私が知る人しかでてこないはずなのに......
そんな疑問を汲み取ったかのように、カナエ....さん?が、私に説明してくれる
「ここは_____正確にどんな場所なのかは、私たちも知らないの。だけどね。
自分が守りたいと思う人が窮地に陥っているときだけ、人の思いは無敵になるものなのよ」
『.........よく、わかりません』
これは、本心からの言葉だった
カナエさんの言うこと全てを直線的に受けとるなら
私が今話している二人は、二人の思いが形になった姿ということになる
だけど、この二人は_____
少なくとも私からすれば、今この場所で息づいているように見える
.....それともここは
死者の思いでも生き生きとできるような、そんな特殊な場所なのか
『貴女方は......どうして、私と話をしたいと思ったんですか?』
確かに私は伊之助やカナヲ、しのぶさんと仲が良い
だけど、それっきりだ
私はこの二人と面識があったわけではないし、きっと私でないといけない理由もなかったはず
それなのに、この目の前の二人は私を選んだ
誰がいつまで生きているかもわからないこの時間を使って、私と話すことを選んだ
それが私にはどうにも不思議で、自分ではわかりそうもないことだった
「.........Aちゃんと話すのに、特別な理由なんて要らないと思うわ、私」
「そうよ!あのね、伊之助の大切な人は、私の大切な人なんだもの!カナエちゃんも一緒よ!」
″Aちゃんをね、私たちで元気づけたいと思ったの″
″鬼に負けた柱が何をと思うかもしれないけど、支えになりたいのよ″
″″だから、あと少しだけ頑張って。私たち二人とも、貴方のことを応援してるからね!″″
琴葉さんとカナエさんはそう言って、そっと私の体を後ろに押した
........え?
何、どうして私は押されたの、私はどこに落ちているの
地面があったはずの場所に地面はなく、あったのは暗い闇とリアルな重力だけで
『い″っ......たぁ.......』
次に私が転がりこんだのは________
______これは、イチョウの、木?
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時