理不尽クソ幹部から逃げるだけ.3【wrwrd!】

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パッと立ち上がりゾムを見た後彼女を見ると、俺しか見えとらんのか、それとも俺しか見たくないのか眉を下げて、助けてと此方を見つめている。

当然だろう、俺以外の幹部がどう思ってるかなんて一言も言わなかったから。


「大丈夫やで」と控えめに言えば今にも泣き出しそうなゾムに視線を向けた。



俺を見なくなった二人に、取り繕っていた表情が全て剥がれ落ちて、不気味に笑っているのがわかった。





「俺は先帰っとる。説明せなあかん事があんねん」

『っ、書記長』

「ん？」


『私、書類ぐらいなら、頑張れる、と、』

「んー、」



可愛いけど、それでいいのか。彼女に負担をかけたくはないんだけど。

と見れば、小さく『みんなが、やれるものだし…』と。



そんな訳ないやん、うちの幹部には黙って座ってる事も出来ない犬二人と総統がおるんやで。




「__じゃ、お願いするわ。補佐って形になるけど」

『…』




グルさんに報告やな。あの人もなんだかんだ好きやん絶対。

ああ、嫌や。ゾムとAが仲良さげに帰ってくるんやろ？そんで他も十中八九仲良くなる。


笑顔が見れるんはいいけど、やっぱり恋心に付き物の嫉妬心なのか少しだけ靄がかかる。





ゾム、ミスってくれへんかな。無理やろうな。彼奴は素でいくから。

俺なんて弁明より告白やったからな。気付いてへんのやろうけど。


『______』

振り返ればもう二人は見えない。ゾムが、Aを逃がそうとするかもしれないし、もしかしたら一緒に逃げるかもしれない。

でも、彼女を連れ出す事は無理だろうなあ。


無自覚にも此処に依存してるから。

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