理不尽クソ幹部から逃げるだけ.3【wrwrd!】

101 ページ2

Aside


『___で、毒耐性うんぬんの話はここにくるんすか』

「そうだな。」




外交か。


総統室の机の上に堂々と座り資料を眺める。総統室の机に座る幹部なんて今までいなかったんだろう。

総統が愉快そうに笑った。



「で？どうなんだ。毒に耐性は」

『微妙、ですわ。ほんまに』

「ほう、意外だな」



目を輝かせながら顔を覗き込む総統にさっきまでの気迫はない。

ハニートラップみせたろうかな、なんて考えるけどやめておく。何か跳ね返ってきそうやから。


『やって、私は命狙う身なんで毒に耐性はないです。飲んだ事はあるけど』

「そうか、」




残念そうに視線を外し、オスマンさんに今度は何かサインを送る。

流石に諦めるだろう。こっちは外交なんて知らない素人だし。



「__」




閉じられてる瞳を開けるだけで、少しも驚いてなさそうにするオスマンさん。

まあ、わかるけど。


息を数秒止めたし、目開けたし、今、呆れたようにしたから。





『…』


　





何のサインだろうか、と考えた直前だった。



ドスッ










『____ッ、う』

「ごめんな」




オスマンさんの手刀。よろける体を総統が受け止めにこにこしている。

不気味だ。



重たい目蓋が落ちてきて、意識を飛ばした。

102→←100

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す