理不尽クソ幹部から逃げるだけ.2【wrwrd!】

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「まーた逃げ出したのか？」

『……』


「オスマン、下がれ」

「はい、閣下」



オスマンさんが下がり今いるのは総統室の椅子に腰掛ける総統、伏し目でその横にいる書記長、そしてその前にいる私。

この3人だけ。殺せるか？


いや、無理だ。立場的にも、正当防衛にならない。
それより総統と書記長に今そんな隙がある訳がない。





『……私が公的に認められているのは御存知ですか』


「無論だな。だがそれは国家機密だ、俺が一言公言すればお前のその殺人は罪になるぞ」

『国の公益を考えてたら私の価値は明白でしょう』

「別に殺しはせずとも自由を奪う事は可能だろう」

『そうしてしまえば、私自身の存在が他国の有益になり貴方の国の重要な国家機密になってしまいますけど』

「情報がバレる程此処の幹部は劣っていないんでな。1つを隠す事なんて容易い」




流石総統。口が達者で何を言っても言い返される。

しかも私は手詰まり。どうしようかと悩む。




「…まあ、そんな所まで行かなくともだ。そっちで捌けなくともお前が仕事以外で犯した罪で十分に捌けるがな？」

『私には覚えがありませんが』


「トントン」

「俺嫌や見たないわこんなん」






ぺらり、と一枚の紙を取り出される。

あ、やば。何処まで書いてあるんやろ、いやいやマジかよ怖えよ。


「…殺人罪、堕胎罪、名誉毀損罪、この3点やな。他にもあるけれど受け取り用によっちゃあまセーフで通るか」

「だそうだが？」

『何処で仕入れたんですかその情報』



「死体が発見されてるからな」

『……』






言い返せないのが辛い。

いいや、言い返したくない、のが正解か。
黙っておいた方が楽かな。

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