我妻クン は 予約済み【我妻善逸】

____キライ ページ39

善逸「嫌だよ」


『離してってば！離さないと大声で炭治郎呼ぶから。』


また炭治郎...。


いつもいつも頼るのは炭治郎だもんね



心の中がドス黒い感情でいっぱいになって自分じゃない何かが溢れだしてくる。




善逸「ふーん、呼んでみれば？」




『何言って...んっ!?』





さあやの唇に荒々しく口付ける。






最初こそは、俺を引き剥がそうと暴れていたが




何度も角度を変えながら口付ければ、次第に抵抗しなくなり静かになった。


『い、やっ、 んっ、』



ガクッと膝が折れて立っていられなくなったさあやの腰に手を回して支える。


唇を離すとさあやは苦しそうに肩で息をしたあと、叫んだ


『...なんで、』



『なんでこんな事するの！！！』



さあやの大きな声に驚いて手の力が抜けると、さあやはへなへなと座り込み、大声で泣き出してしまった。


久しぶりに見るさあやの涙にはっと我に返る。




『ぜんいつのばかぁぁぁ！だいっきらい！！』


『もういいなづけなんかやめてやるぅぅぅ』



赤ちゃんのように泣き喚くさあやに俺はいてもたってもいられなくなった。


善逸「ご、ごめんね、さあや」


善逸「俺、嫉妬でおかしくなっちゃってて、怖がらせて、ごめっ」



『違う！！！』



またも さあやの大声にビクリと肩を震わせる



『私が言ってるのはその事じゃなくてっ、』



その事じゃなくて...？




『なんでちゅーなんてしたのぉぉぉおぉ』



『このあんぽんたん！』


は？


ちゅー？


ちゅー、


ちゅー...





善逸「イィィィヤァァァァァ！！！」



俺のあまりの叫び声に驚いたさあやはピタリと泣き止むのをやめた。


善逸「え、俺ちゅーなんてした！？さあやに接吻しちゃった！？え、え、え嘘だよね！？嘘だって言ってよ！」


『ぜ、ぜんいつ、落ち着いて』



善逸「落ち着いてられますか！？さあやのこと怖がらせて泣かせた上にちゅ、ちゅーまでしちゃうなんて...」



善逸「ああぁぁぁぁ！俺って馬鹿なの！？阿呆なの！？ほんとごめんね！？1回死んでくるから生まれ変わるまでちょっとまってて！！？」


『ちょ、もう、大丈夫だから！善逸！』


完全にパニックで頭がおかしくなった俺をさあやが引き止めた。


善逸「いや引き止めてくれなくていいよ！俺なんか俺なんかあんぽんたんで変態で、えーとえーとビビりですし！さあやの許嫁だなんてそんな元から不似合いな男ですから！」

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