我妻クン は 予約済み【我妻善逸】

____スキ ページ3

あの日


「さあや、結婚しよう｣


善逸は 真剣な顔で そう言った。




馬鹿なの？ 私 まだ 12歳だよ?




そう思いながらも何故だか嬉しい自分がいて


『うん』


思わず 頷いてしまった。



ほんと！？絶対幸せにするから！なんて顔を真っ赤にしながら言う善逸を


どうしようもなく愛おしく思ったんだっけ。




私 と 善逸 は


世の言う 許嫁 ... ？


私たちには親がいないから


師範であり私たちの


じいちゃん に 許可を貰って


許嫁 って関係は結ばれた。



許嫁って

結婚を約束した仲のことを言うらしいんだけど


私たちの場合 単なる口約束だし、

じいちゃんに許可を貰う時だって半場強引だった。









善逸「じいちゃん！！俺、さあやと結婚するから！」


夕食時

善逸が勢いに任せてそういえば、じいちゃんは

口をぽかんと開けてかたまった。



桑島「何を言い出すかと思えば...」


じいちゃんは はぁ...とため息をつく。


桑島「鍛錬から毎日泣いて逃げおる小心者が 結婚などまだ早い。」


『ぜんい..』


なだめようとする私の声は善逸の大きな声によって遮られた。



善逸「嫌だよっ！俺絶対さあやと結婚するんだ！」




善逸「ねぇぇぇ、じいちゃぁぁん、いいでしょ？」


泣いてすがりつく 善逸を見て じいちゃんはまたため息をつく。



じいちゃんはなんだかんだ善逸に甘い。

血は繋がっていなくたって善逸のことを心から愛してるのが伝わってくる。


もちろん、私のことも。


桑島「...お前が毎日鍛錬に一生懸命励むと言うなら許してやらんこともない」


善逸「ほんとに ！？」


善逸は飛び上がって喜んだ。


善逸、条件聞いてたの？

毎日鍛錬に一生懸命励むんだよ？

逃げ回れないんだよ？


善逸「俺、頑張るよ！さあやのためなら、頑張る！」


そう言って張り切る善逸の頭をじいちゃんは力強く撫でた。



今思えば、じいちゃんからしたら

子供同士の よくある ゛ おままごと ゛

のようなものだったのかもしれない。


いや、 私もそう思っていた。



でも、いつでも善逸は自分の心に正直で 真剣で 。


そんな 善逸の 傍にいるためには


もっと 強くならなきゃいけない。


過去の苦しみなんて 忘れられるくらい。


私も 善逸と一緒にいる為に もっと頑張ろうって。



そう思ったんだ。

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